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新型肺炎の特徴や感染予防は? 岡山県内の専門家に聞く

2/17(月) 11:15配信

山陽新聞デジタル

 中国中央部の湖北省武漢市に端を発した新型のコロナウイルスによる肺炎(COVID(コビッド)19)が世界に脅威を与えている。WHO(世界保健機関)が「公衆衛生上の緊急事態」を宣言したのを受け、日本も指定感染症に定める政令を出して患者の強制入院や就業制限を可能にした。流行地域からの入国制限も実施しているが、既に国内でも多くの感染者が見つかり、私たちも決して“対岸の火事”では済まされない。落ち着いて対応するために何を知っておけばよいのか―。ウイルスに詳しい川崎医科大学(岡山県倉敷市松島)の研究者と、患者が入院する専用病床を持つ岡山市立市民病院(岡山市北区北長瀬表町)の責任者に尋ねた。

SARSより致死率低い

尾内一信 川崎医科大学教授(小児科学、感染症学)

 ―コロナウイルスはどのようなウイルスですか。

 コロナウイルスは、ヒトに日常的に感染する風邪のウイルスとして4種類、動物からヒトに感染するようになった重症肺炎ウイルスとしてはSARS(重症急性呼吸器症候群)とMERS(中東呼吸器症候群)の2種類が知られている。

 SARSは2002年に中国で、MERSは12年にアラビア半島とその周辺地域で発生した。高熱や肺炎、下痢などが主な症状だ。SARSはコウモリ、MERSはラクダから広がったとされ、致死率はそれぞれ10%、35%と言われている。ウイルスが細胞内に入り込んで増殖する際、比較的変異が起こりやすく、今回問題となっている新型も動物由来と考えられる。

 ―情報は限られますが、新型ウイルスの特徴は。

 新型なので、まだ免疫を持っている人はいない。感染が広がりやすいと言える。初期症状は発熱や咳(せき)、筋肉痛、倦怠(けんたい)感など。糖尿病や腎臓病など基礎疾患のある高齢者が重症化しやすいようだ。飛沫(ひまつ)または接触によって感染し、潜伏期間は2~10日、重症化率は20%、致死率はSARSやMERSより低く、約2%と言われている。小児にはほとんど感染せず、感染しても軽症のようだが、その理由は分かっていない。

 ―感染の広がりをどうみていますか。

 WHOは1月末に「公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。19年にコンゴで起きたエボラ出血熱流行に続いて6回目となる。

 感染が最も深刻な中国・武漢市は人口1千万人超の大都市だ。人工透析をしているなど基礎疾患を抱えた重症患者も多く、医療機関の能力を超えていると考えられる。検査から漏れている人も少なくないはずで、実際の感染者が発表より多いとすれば、致死率はもっと低く見積もってもいいのではないか。

 ―われわれはどのように対処すべきでしょうか。

 恐れすぎてはいけないが、今、きちんとした対策を取らないと、感染が拡大してしまう危険性がある。ウイルスは口、鼻、目から侵入するので、丁寧な手洗いやマスク着用、感染者の近くではゴーグルが必要だ。アルコール消毒が有効で、コロナウイルスの表面構造を変性させて細胞内への侵入を防ぐ効果がある。

 今年に入ってインフルエンザの流行が落ち着いている。新型肺炎が問題になり、皆さんが自己防衛しているからだと考えられる。警戒を怠らず、東京オリンピック・パラリンピックまでには制圧したい。

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最終更新:2/17(月) 11:15
山陽新聞デジタル

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