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高齢者支援ボランティアの高齢化進む 将来的に危機感

2/17(月) 13:44配信

福井新聞ONLINE

 運転免許の自主返納などで生活の“足”に不便さを感じている高齢者を支援しようと、ボランティアによる買い物の送迎が福井県若狭町内で好評だ。明倫地区で7年前、みそみ地区で6年前に始まり、週2~3回の運行を続けている。これまでの延べ利用者数は両区で計約8千人。町内外から視察も訪れるなど地域で支え合う仕組みづくりが注目される一方、両地区とも60代以上が運転手を務めており、将来的なボランティア不足への懸念がじわりと広がっている。

 ■買い物の送迎

 「最近は足の調子が良くて」「娘が子供を産んだんやけど」-。買い物に向かうワゴン車の車内では、利用者らの会話や笑い声が響く。両地区からそれぞれ15分ほどの距離にある量販店に到着。買い物を済ませると、店内の飲食スペースでお茶を飲んで再びおしゃべり。帰りは各家まで送り届けてもらい、必要に応じて運転手が玄関まで荷物を運んでくれる。

 利用者で1人暮らしの90代男性は「車を運転しないので、すごく助かっている。おしゃべりも楽しいしね」と笑顔を見せる。

 ■免許返納後の“足”

 両地区とも活動が始まったきっかけは、車を持たない高齢者の不便さを訴える声だ。高齢ドライバーによる交通事故を未然に防ごうと運転免許自主返納が進み、それに合わせ、生活の“足”を失った高齢者への支援を各自治体が設けている。ただ、利用期限や条件がある場合が多いのが現状だ。

 同町では、運転免許を自主返納した高齢者に、町営バスや町営の予約制乗り合いタクシー「デマンドタクシー」で使用できる割引乗車券を発行しているが、50枚の制限がある。「枚数の増加を求める声も聞かれる」(町担当者)という。

 その不便さを解消しようと、明倫地区のボランティアグループ「明倫買物クラブ」は2013年、みそみ地区の「みそみ買い物メイト」はその翌年に始動。利用者は明倫地区で約20人、みそみ地区で約80人おり、ともに町社協のワゴン車を無償で借り、利用料はガソリン代として明倫地区は1回100円、みそみ地区は200円だ。

 ■継続への課題

 運転手を務めるボランティアは両地区とも約20人で、ほとんどが定年退職した60~70代。活動開始から約6~7年が経過し運転手の高齢化も進行。「運転に不安が出てきた」とボランティアを辞める人も出てきた。明倫地区で活動を取り仕切る70代男性は「今は運転できる人はいるが、数年で足りなくなってくる可能性がある」と危機感を募らせている。

 みそみ地区で中心になって活動する60代男性は「今後高齢化はさらに進み、運転手をしている僕たちもいつか支援が必要となる」と話し、ボランティアの世代交代と取り組み継続の必要性を訴える。

 これに対し、同町福祉課は「行政として活動を支援する方法を検討していきたい」と前向きな姿勢を見せる。ただ、買い物場所までの距離や地区民の年齢構成など、地区ごとに状況は異なる。一律の支援は難しく、今後慎重に検討を進めていきたいとしている。

福井新聞社

最終更新:2/17(月) 13:44
福井新聞ONLINE

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