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文化庁、2020年度予算案は1067億円で横ばい。文化財防衛に重点

2/18(火) 7:52配信

美術手帖

文化財防衛を重視の予算配分

 文化庁の2020(令和2)年度の予算案が決定。合計は1067億1500万円で、19年度から0.5パーセント増のほぼ横ばいとなっている。


 全体としては横ばいではあるが、特筆すべきは文化財防衛関連の予算だ。19年は、パリ・ノートルダム大聖堂や首里城など、文化財における火災が相次いだ。これ受け、文化庁は「災害等から文化財を護るための防災対策促進プラン」として39億700万円を計上。これは、対前年度比10億200万円という21年度予算最大の増額だ。


 同プランでは、「首里城跡やノートルダム大聖堂の火災を踏まえ、文化財を後世に継承するため、防火施設等の整備や、設計図や写真等のデジタル保存等の防火対策を行うとともに、防犯、
耐震対策等に対して補助を行う」としており、「建造物防災施設等整備」に13億5400万円、「美術工芸品防災施設等整備」に2億8900万円、「記念物等防災施設等整備」に10億8000万円を割り当て。

 また、文化財建造物の破損状況の分析にAI等の技術を活用する「AIを利用した文化財建造物見守りシステム
」に1500万円、日本全国の文化財保護団体等による「文化財防災ネットワーク」を運営し、災害発生に備えた調査研究と情報の蓄積、人材育成を行う「文化財防災ネットワーク推進事業」に1億5400万円を計上する。

 なお首里城については、「(関連事業) 首里城復元に必要な技術者の人材育成」として、新たに1000万円が計上されている。


 このほか新規事業としては、「重要文化財等防災施設整備事業(建造物)」に12億7800万円を、「重要文化財等防災施設整備(美術工芸品)」に1億9500万円を新規計上。国宝・重要文化財を災害等から保護するための防災施設の整備を推進し、とくに世界遺産や国宝・重要文化財、そしてそれらを保管する博物館等については早急な対応を図るとしている。

博物館文化拠点機能強化や日本博も 


 21年度は、「博物館文化拠点機能強化プラン」にも注目したい。新規事業となる同プランの予算は20億100万円。文化庁は、「我が国の博物館は類似施設も含め5700館存在するが、人材の不足(1館あたり学芸員1.5人)や、来館者の利便性向上など課題あり」と指摘しながら、博物館を文化拠点として機能強化させることで、「文化振興→観光振興→地域活性化」の好循環を創出したい考えだ。


 同プランでは、「博物館クラスター推進事業」に14億9000万円ともっとも多くの予算が割かれており、「博物館を中核とした文化クラスター(文化集積拠点)による地域文化資源の整備支援」や「地域の観光や産業界との連携のためのコーディネーターや博物館の魅力を高めるための学芸員やインバウンド支援の職員を配置」に注力する。


 加えて、19年に行われたICOM(国際博物館会議)京都大会のレガシーとして、「博物館制度の調査研究」「PPP等による持続可能な博物館運営の研究(コンセッションの適用可能性を調査)」「海外ネットワーク構築」にも3300万円を計上する。

 また、文化庁が2020年に注力する「日本博」
関連は国際観光旅客税が財源で、「『日本博』を契機とした文化資源による観光インバウンドの拡充」には45億3300万円(前年度34億6600万円)が充てられている。

 なお文化庁では「我が国におけるアート・エコシステムの形成 -現代アートの国際発信と我が国アート市場の基盤整備-」とし、
「アート・プラットフォームの形成」と「日本アートの国際発信力強化」にも取り組んでおり、これらは前年同額の1億9200万円が計上されている。

最終更新:2/18(火) 7:52
美術手帖

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