ここから本文です

“AIの目”で激変する「スポーツ中継」最新事情。無人カメラが中継ビジネスを変える

2/18(火) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

パナソニックが取り組む「革新的なスポーツ中継」

筆者の記憶には、ここ数年の日本のスポーツ中継において、視聴者に大きな印象を与えた国際大会の中継が2つある。

1つは、2018年のサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会で、NHKが提供した専用の映像配信アプリだ。アプリ上で試合を、全体、フィールド真上、ゴール裏、選手に接近した映像など、さまざまな視点を選んで見ることができた。

2つめは、2019年に日本で開催したバレーボールのW杯。パナソニックの映像解析技術「3Dトラッキング」が話題になった。例えば、選手がスパイクで得点を決めた直後の再現映像で、選手の打点の高さ、打った球の速度や軌道起動
を即座に表示し、選手たちの「プレーのすごさ」を可視化し、視聴者を楽しませた。

パナソニックはこのシステムをスポーツビジネス産業展でも改めて展示していた。

同じ2019年のラグビーW杯日本大会では、CGと実映像を組み合わせた「プレーの再現映像」が話題になった。どの視点からでも見られ、選手たちの緻密な動きがわかるようになり、視聴者がよりラグビーを知るきっかけになった。

ラグビーW杯では他にも、NTTドコモが、試合会場のスタジアム8カ所を5Gエリア化し、5G端末を活用したプレサービスを提供していた。端末画面上で、異なる視点の映像を同時に楽しむことができる。今回の展示ブースでも紹介していた。

「5Gによって、大容量の映像を送れ、さらに低遅延というメリットがある。ラグビーW杯の時は、目の前で行われている試合と端末映像の時差がだいたい0.8秒くらいでした。今後はさらに一致できるよう目指していきたい」(ドコモ担当者)

1つの試合の多視点だけでなく、他会場を同時に一つの端末で映すようなコンテンツも可能になるのではないかとも話していた。

マイナー、アマスポーツの配信は「ブルーオーシャン」?

一方で、スポーツ映像市場の大きな可能性が、人気プロスポーツよりも、マイナースポーツやアマチュアスポーツにある、と指摘していたのが、NTT西日本のビジネスデザイン部オープンイノベーション推進室室長の中村正敏氏。

「100万人が見る1、2試合ではなく、100人、200人が見る試合を、1万試合、配信したい」(中村氏)

サッカー・Jリーグやプロ野球、バスケットボール・Bリーグは既に放送が確立されている。一方で、放送されない、中継されない幾多のスポーツの試合が今も無数にある。

「我々はアマチュア、マイナースポーツといった“小さい規模のスポーツ”を映像化して、楽しめる世の中にしていきたい。日本にはアマチュアスポーツのチームが、代表的なものだけでも10万チームくらいある」(中村氏)

中村氏は、世界のスポーツ市場は大きくなっていて、それ以上に日本の市場も大きくなっていると語る。ただ、ここでも課題は「コスト」だ。

「(人気スポーツの中継のように)広告が大きく入るモデルではないので、いろんな人から少なくお金をもらうマネタイズ方式(にならざるをえない)。価値を提供して、その価値を(ファンに)どう認めてもらうか」(中村氏)

2/3ページ

最終更新:2/18(火) 23:01
BUSINESS INSIDER JAPAN

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事