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「先駆者たちが見た夢を、現役選手たちが生きている」ビリー・ジーン・キング

2/18(火) 18:00配信

THE TENNIS DAILY

女子テニスの草分けであるビリー・ジーン・キング(アメリカ)は、4月にブダペストで行われる「フェドカップ」決勝は、テニスが女子スポーツの公平性を求める戦いのリーダー的役割を果たし続けていることを示していると述べた。ロイター通信が伝えている。

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1973年に女子プロテニス協会(WTA)を生み出すために奔走したキングは、創設から57年目にして新たな動きを見せている「フェドカップ」決勝ラウンドの抽選セレモニーに出席。同大会には、世界の主要な女子選手たちを多数擁する12ヶ国がハンガリーの首都ブダペストに集結し、1800万ドル(約19億7400万円)の賞金額を誇る1週間の大会に参加する。

テニス界ではすでにグランドスラムで男女の賞金額を同等に設定しているが、「フェドカップ」決勝の賞金総額が11月に行われた「デビスカップ」決勝の賞金総額と同等であるという事実には「大きな意味がある」とキングは言う。

「フェドカップ」のグローバル大使を務める76歳のキングは、荘厳なブダペスト美術館で行われたドローセレモニー後の電話インタビューで、ロイター通信に「これは、これから先の3年に向けた信じられないほどの好機よ」と語った。

「女子テニスが今も女子スポーツ界のリーダーであり続けているということが示されていて、とても誇らしく思うわ。私にとっては大変意味のあることだし、これは今後も続いていかなければなりません」

現役時代のキングは、グランドスラムで12度(プロ化以降に8度)の優勝を果たしつつ、女子のプロ大会の創設や、男子と同等の賞金を求めてコート外でも奮闘した人物。1963年には初回の「フェドカップ」に出場している。

男子の「デビスカップ」が初開催されてから63年後に始まったこの大会では、ロンドンに16ヶ国が集まり、決勝ではキングの貢献でアメリカがオーストラリアを破って優勝した。

新たな形式に刷新され、1週間の大会に12ヶ国が参加する今回の「フェドカップ」決勝ラウンドは、第1回大会への回帰のようでもある。しかし、実際は天と地ほど差があるとキングは言った。

キングが出場した第1回には、夕食代にあてるための費用が毎日支払われていたが、今年ブダペストで優勝したチームは320万ドル(約3億5100万円)の賞金を山分けし、さらに優勝国の協会には120万ドル(約1億3200万円)が舞い込む。グループステージで敗退したチームも、50万ドル(約5500万円)を山分けできる。

「それがその時の制度だったの。選手たちはアマチュアだったから」と語るキングは、決勝の勝敗を決するダブルスでダーリーン・ハード(アメリカ)と組み、長年のライバルであったマーガレット・スミス(現在はマーガレット・コート、オーストラリア)とレスリー・ターナー(オーストラリア)のペアに勝利した。

「それでも私は最初の優勝トロフィーに名前を刻みたくて必死だったの。最初の“フェドカップ”には、全部で16ヶ国が出場していたわ。今年は116ヶ国が参加して始まった。とてつもなく成長したことが、よく分かるでしょう」

「それから、新しく採用された形式ね。選手たちは年間スケジュールの1週間の短縮を求めていて、それが叶った。そして賞金の増額も求めていたから、ITF(国際テニス連盟)がお金も用意した」

「賞金額は“デビスカップ”と同額になったわ。これはとても重要なメッセージよ。ITFは公平性を実現するために、努力して運営を行ってきた。口だけではなく、行動で示しているの」

女子テニスは他のスポーツの手本であり、アメリカにおいては特にそうであるとキングは述べた。「全ての女子スポーツが盛り上がる必要があるわ。野球は150年、NFL(アメリカンフットボール)とNHL(アイスホッケー)は100年の歴史があるけれど、どのスポーツにも女子のリーグはないのよ!このことについてはいつも考えていて、どうにかしたいと思っているの」

「私たちは50年前に立場をはっきりと示した。出場停止を食らうところだったわ。自分たちに何が起こるのかわからないまま、試合をする場を作ること、見かけだけでなく達成したことに対して評価を得ること、そして生計を立てること、この3つのことのために必死に戦ったの。それが未来の世代のための夢だった。そして今、選手たちはその夢を生きているのよ」

※為替レートは2020年2月17日現在

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019「フェドカップ」でのキング
(Photo by Grant Halverson/Getty Images)

(c)テニスデイリー

最終更新:2/18(火) 18:45
THE TENNIS DAILY

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