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なぜ「逆転有罪」に? コインハイブ裁判、東京高裁が無罪判決を棄却した3つのポイントを解説

2/18(火) 17:21配信

ねとらぼ

 運営するサイトにマイニングソフト「Coinhive(コインハイブ)」を設置したとして、Webデザイナーのモロさんが不正指令電磁的記録 取得・保管罪(通称:ウイルス罪)に問われている裁判で2月7日、東京高等裁判所は一審での無罪判決を破棄し、モロさんに罰金10万円の支払いを命じる有罪判決を言い渡しました。なぜ高裁は逆転有罪の判断を下したのか、判決文を解説します。

【画像で見る:一審の無罪判決】

事件のあらまし

  サイト訪問者のPCのCPUを使ってWebブラウザ上で仮想通貨をマイニング(採掘)させる「Coinhive」を設置したとして、複数の検挙者が出た本事件(通称:コインハイブ事件)。ねとらぼでは1月30日に「なぜコインハイブ『だけ』が標的に 警察の強引な捜査、受験前に検挙された少年が語る法の未整備への不満」との記事を、2月16日に「『お前やってることは法律に引っかかってんだよ!』 コインハイブ事件、神奈川県警がすごむ取り調べ音声を入手」との記事を公開し、それぞれの検挙者を取材しました。

 また2019年3月27日には横浜地裁が弁護側の主張を認め、無罪判決を言い渡し、コインハイブ事件 横浜地裁、Webデザイナー男性の主張認め「無罪」判決との記事を掲載しました。

 ところが、その後行われた控訴審で東京高裁は一審の判決を破棄し、検察の求刑通り罰金10万円の支払いを命じる有罪判決を言い渡しました。

争点

 裁判で争点となったのは、次の3点。

・(1)本件プログラムコード(コインハイブを動かすためのプログラムコード)の不正指令電磁的記録該当性
・(2)実行の用に供する目的の有無
・(3)故意の有無

 一審で無罪判決が言い渡された理由の大きな要素の一つは、「(1)本件プログラムコードの不正指令電磁的記録該当性」について「該当性が認定できない」とされたこと。つまり、コインハイブがいわゆるウイルスには該当しないとされたということです。

 この点について東京高裁は、「本件プログラムコードが不正指令電磁的記録に該当しないとした原判決(地裁判決)の判断は、刑法168条の2第1項(※)の解釈を誤ったことによる不合理なもの」「これまでの証拠調べを踏まえると有罪の自判をするのが相当である」と判断しました。

(※)刑法168条の2第1項……不正指令電磁的記録に関する罪。

 まずコインハイブが不正指令電磁的記録に該当するかどうかについては、サイト訪問者の意図に反してプログラムが実行されたかという「反意図性」、コインハイブのプログラムによる動作が不正に当たるかという「不正性」という2点が争われていました。

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最終更新:2/18(火) 17:21
ねとらぼ

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