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りんごをかじったことのないアレクサはなぜ「りんご」が分かるのか

2/18(火) 11:00配信

本がすき。

人工知能(AI=Artificial Intelligence)は、金融システムや通信網を制御し、道案内や打ち間違いの探知、何を買うか/観るかさえも教えてくれる、今や私たちの「目には見えない生活基盤」になっています。このAIを牽引してきたのがアメリカ6社・中国3社の9つの巨大テクノロジー企業「ビッグ・ナイン」。しかし現在、長期的な計画を避け消費者主義によって動くアメリカと、国民のデータをすべて把握し、新世界秩序の構築を目指す中国とで、AI開発は二手に分かれて進んでいます。
「誰もが人工知能の未来に対して大切な役割を果たす事ができる」と語るアメリカ有数の未来学者が見据える、「私たちの未来」の姿とは?

※本稿は、エイミー・ウェブ著/稲垣みどり訳『BIG NINE』(光文社新書)の一部を再編集したものです。

■「電卓」も昔はAIだった

現代のAI(人工知能)のルーツは、米国のグーグル、アマゾン、アップル、IBM、マイクロソフト、フェイスブック、中国のバイドゥ、アリババ、テンセントといったテクノロジー関連の九つの巨大企業「ビッグ・ナイン」が、Siri(シリ)やAlexa(アレクサ)、あるいはTmall Genie(天猫精霊)を生みだすはるか前、何百年も昔にさかのぼる。

当時は他の技術と違って、AIには定義がなかった。現在でもAIの領域は広がりつづけ、多岐にわたるため、AIを具体的に説明するのは簡単ではない。1950年代にAIと見なされていた長除法【割り算の筆算で、計算過程を書きながら計算を進める方法】ができる計算機などは、現在ではもはや高度なテクノロジーとはいえない。

これは「奇妙なパラドックス」と呼ばれている現象である。新しい技術が発明され、それが主流になっていくと、もうその技術は注目されなくなってしまう。それをAIだとさえ思わなくなる。

基本的に、AIは自律判断をするシステムだといえる。AIが行うタスクは、人間と同じことをするか、まねをするかだ。たとえば、音やモノを認識したり、問題を解いたり、言語を理解したり、ゴールを達成する戦略を練ったりする。

システムによっては何百という計算を素早く行う一方で、メールの文面の中に汚い言葉が使われていないかを検出するような限定的なタスクもある。

私たちはこれまでも、同じ質問を繰り返してきた。機械に考えることはできるのだろうか? 機械が「考える」とはどういうことだろうか?

私たちにとって「考える」とはどういう意味だろうか? そもそも「考え」とはなんだろうか? どうすれば私たちは、一点の曇りもなく、自分自身で考えているといえるのだろうか?

こうした問いかけを私たちは何百年も前から繰り返しているが、それはAIの歴史と未来の両方にとって大切だ。

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最終更新:2/18(火) 11:00
本がすき。

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