ここから本文です

新型ウイルスでバンカー外出できず、中国で合併案件に急ブレーキ

2/18(火) 13:24配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 投資銀行のバンカーの仕事は、顧客との信頼関係を築き心のこもった助言などができるようにすることだ。しかし新型コロナウイルスが猛威を振るう中国では、バンカーらは在宅勤務を余儀なくされ、こうした仕事をすることができない。このため中国企業が絡む合併・買収(M&A)案件に急ブレーキがかかっている。

ディールメーカーが海外から中国を訪れることもできず、顧客との面談や買収が予定される企業に赴いて資産査定することも実質不可能だ。ブルームバーグのデータによれば、今年これまでに発表された中国企業絡みのM&Aは259億ドル(約2兆8400億円)相当と、同時期としては2014年以来の低水準。香港市場での新規株式公開(IPO)も過去30日間にたった1件と落ち込んでいる。

シンガポールの法律事務所ベーカー・マッケンジー・ウォン&リャウの合併担当プリンシパル、チューシン・タン氏は「渡航制限やオフィス閉鎖で業務の混乱が続く結果、契約締結にこぎ着けるのが遅れるのは避けられない」と話した。

遅れる案件は増えている。自動車部品メーカーの重慶小康工業集団は、予定する東風汽車との合弁企業の100%子会社化実施にウイルス感染拡大が「直接的な影響を与えている」と、上海証券取引所への届け出で明らかにした。この合弁企業の本拠は新型ウイルス感染拡大の中心である湖北省にあり、現地での監査や確認作業が滞っているという。

カナダのファースト・クァンタム・ミネラルズは先週、ザンビア事業の売却を延期したと発表した。新型ウイルス感染拡大で、中国の買い手候補と面談ができないためだという。江西銅業など複数の企業が関心を示していたと、事情に詳しい関係者が述べていた。

多くのバンカーや弁護士が在宅勤務を強いられている香港では、レストラン運営の大喜屋集団がIPOを中止。中国のバイオテクノロジー企業、イノケア・ファーマ(諾誠健華医薬)は香港IPOに向けた投資家会議を延期した。

新型ウイルスはテクノロジーの限界も浮き彫りにした。デジタルバンキングと超高速電子取引の時代でも、ディールメーキングには握手や顔を合わせての対話が必要だ。案件を売り込む会議も資産査定も規制上の見直しも、顔を合わせた方が良い。

結局、投資銀行もレストランと同じようにサービス業なのだ。数十億ドルの合併の話を、微信(ウィーチャット)のメッセージのやり取りで決めることなどできないと、あるバンカーは述べた。

原題:Stuck-at-Home Bankers See China Deals Slump With Virus Spreading(抜粋)

(c)2020 Bloomberg L.P.

Vinicy Chan, Julia Fioretti, Ken Wang

最終更新:2/18(火) 13:24
Bloomberg

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ