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ベネチア襲った想定外の「アックア・アルタ」 昨秋の過去最悪級高潮 発生状況から現状まで

2/19(水) 7:02配信

47NEWS

 イタリア北部ベネチアで昨年11月、記録的な高潮被害が発生したことを覚えているだろうか。歴代で2位となる水位187センチを記録し、市内の85%以上が浸水。その光景は写真や映像とともに衝撃的なニュースとして世界中を駆け巡った。とはいえ、今回の高潮の発生状況や、その後の様子については日本であまり報道されていない。そのせいか、今でも「ベネチア大丈夫?」と聞かれることも。現状を含めてリポートしたい。(イタリア語通訳=持丸史恵)

 ベネチアはアドリア海に面した潟(内海)に浮かび、街には運河が網の目のように走る「水の都」だ。一方で、近年は地球温暖化による海面上昇の影響などにより、特に秋から冬にかけて高潮被害がたびたび発生している。高潮には複合的要因があり、大きく分けると、直前までの降雨量、低気圧、そしてシロッコと呼ばれる南風などが挙げられる。

 当然ではあるが、街を囲む潟の水位は潮の満ち引きとともに変化する。その増減幅は通常の水位からマイナス50センチ~プラス90センチ程度。その範囲内であれば生活にも観光にも支障はない。例えば、観光の中心地サンマルコ広場。ベネチア本島で最も低い海抜約80センチに位置しているものの、水位がこれを少し超えたぐらいでは水たまりができ始める程度で、岸から水が押し寄せてくるわけではない。

 ▽アックア・アルタ

 水位が80センチを超え、島内で浸水が起きることをイタリア語で「高い水」を意味する「アックア・アルタ」と呼ぶ。ベネチア市は潮位予報警報センターを独自に設置し、日々の水位の予報をホームページなどで公表。アックア・アルタが見込まれる際には、携帯電話へアラーム・メッセージを送信したり、市内にサイレンを鳴らしたりして市民に警戒を呼びかけている。

 80センチを超えると、徐々に、排水溝や敷石の隙間からじわじわと水が姿を現し始める。90センチを超えるくらいから、広場や路地など水に漬かるところができ、注意が必要になる。

 だが、こうした「日常的」な高潮に対してはそれなりの対策が講じられている。

 まず、予報が80センチを越えると、市内の主な路地や広場には簡易の渡し橋が設置される。最も、市内全域をカバーしているわけではないので移動には長靴着用が望ましい。

 また、店舗や工房、住宅の多くは1階部分が路面より高く造ってある。さらに、扉などの開口部には高さ50~70センチほどの防水用のステンレス板がはめられるようになっている。高潮時にその板を取り付けると水圧で固定され、水の侵入を防ぐことができる。

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最終更新:2/19(水) 9:57
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