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欧州の化学物質規制「RoHS」、改定で鉛使用制限強化も。非鉄スクラップ市場に動揺、問屋、黄銅削粉の扱い慎重に

2/19(水) 6:06配信

鉄鋼新聞

 欧州連合(EU)の化学物質規制「RoHS」の改定をめぐって黄銅棒への鉛使用がさらに制限されるとの観測が高まる中、黄銅棒の原料である黄銅削粉を扱う非鉄スクラップ問屋では規制強化への不安から、黄銅削粉の扱いに慎重になる動きも出始めた。

 RoHSは電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての取り決め。鉛・水銀・六価クロムについては含有を0・1%以下に抑える基準があり、適合しない電気・電子機器はEU内での販売が禁止される。
 黄銅棒は切削加工性を高めるため鉛を添加するケースが多い。現在RoHSでは鉛を使わず特性を保つ代替素材の開発・普及の猶予期間として暫定的に制限から除外されており、4%までの含有が許容されている。ただRoHS改定のタイミングが近づく中、年内に適用除外規定の削除が決まるとの予想が市中で広がっている状況。
 黄銅棒メーカーではEUに輸出される機器・部品向けのみを作り分けるのが難しく、適用除外が削除されれば、その影響は日本で製造される電気・電子機器向けの黄銅棒に広く波及する。
 すでに大手黄銅棒メーカーでは鉛を添加せず切削性を有する製品を製造しているが、足元の普及は限定的。ただ今後鉛規制が強化されれば鉛レス材の比率が大幅に高まることは必至だ。その中で黄銅棒の主原料である黄銅削粉にも鉛レスが求められ、鉛を含む黄銅削粉の需要が大幅に減退するとの見方がスクラップ問屋では大勢を占める。
 非鉄スクラップ問屋には今後、鉛レス黄銅棒需要の拡大に合わせて原料の厳格な選別が求められるとみられるが、市中からは「同じ加工機でさまざまな材料を切削するケースが多く、発生したすべての削粉を完璧に選別することは現実的ではない」(問屋筋)と先行きを不安視する声が聞かれる。
 すでに規制強化を見越した対応を進める動きも見られ「黄銅削粉自体の荷動きは慢性的に鈍いこともあり、今ヤードにある黄銅削粉を三分の一ほどまで減らしたい」と話す問屋もいる。しかし「付き合いの長い工場からの荷は受けるしかない」というジレンマも一方である。近くRoHS改正の内容が決まる公算が大きく、その内容が注目される。

最終更新:2/19(水) 6:06
鉄鋼新聞

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