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鉄道会社らしからぬ戦略、 阪神電鉄の「ビルボード事業」はなぜ成功した?

2/19(水) 12:07配信

ニュースイッチ

六本木に突如出現した「これまでにないライブハウス」

 2007年8月の終わり頃、私はできてまだ半年も経たない六本木の東京ミッドタウンを訪れた。米国のロックバンド、スティーリー・ダンの来日公演を観るためだ。会場は「ビルボードライブ東京」という聞き慣れない名前のライブハウス。なんでも、このスティーリー・ダン来日公演が、この会場のこけら落とし、つまりオープンして初めてのライブということだ。

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 会場に到着して、驚いた。それまでに行ったことがあるどのライブハウスとも雰囲気が違う。入場にあたっては、ホテルのように、まずチェックインカウンターで手続きをする。その後、番号順に一人ひとりに店員がつき、席まで案内してくれる。中クラス以上のレストランのようだ。

 店内は建物の3フロアを吹き抜けにした立体的な構造で、それほど派手ではなく、都会風でシックな内装。ステージ後ろは大きな窓になっており、普段は下りている幕が開くと、東京の夜景をバックに演奏が楽しめる。

 食事とお酒とともに最高の演奏を堪能し、会場を後にしたのだが、帰りがけに案内パンフレットの隅に小さく載っていた文字が目にとまった。「阪神コンテンツリンク」。このビルボードライブ東京の運営会社らしい。「阪神? 阪神タイガースと関係があるのかな?」と首をひねった。失礼ながら、この店の雰囲気と、阪神タイガースのイメージはまったくそぐわない。

 後で知ったのだが、阪神コンテンツリンクは阪神電鉄の子会社、つまり阪神タイガースとは同じグループということになる。どうして阪神電鉄が、東京・六本木に、こんなお洒落なライブハウスをオープンしたのか? その疑問は、『billboardを呼んできたサラリーマン』(ダイヤモンド・ビジネス企画)を読んで解消した。

 同書は、阪神コンテンツリンク代表取締役社長で、阪神電鉄の音楽事業を成功させた立役者である北口正人さんが、当初の企画から現在までのサクセスストーリーを語るノンフィクションだ。

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最終更新:2/19(水) 12:07
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