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「カカワテ・ハポネス」ルーツをたどる 日系メキシコ移民と戦争

2/20(木) 10:32配信

47NEWS

 「カカワテ・ハポネス(Cacahuate Japonés)!」。メキシコの市場を歩いてみれば、そんな商人の売り文句が聞こえてくることもしばしばだ。「カカワテ・ハポネス」とはスペイン語で「日本風ピーナツ」。ピーナツに小麦粉をまぶして揚げた、カリッとした食感がたまらない醤油味のスナック菓子だ。メキシコでは国民的なお菓子として愛され、ビールのつまみに欠かせない。しかしメキシコ名物になぜ「日本風」の名が? 謎を追い求めると、ある移民の個性的な生き様と、海を越えて交流を続ける家族の姿が浮かび上がった(共同通信=武田惇志)

 ▽〝日本風〟ピーナツ

 その名の通り、パッケージには芸者などオリエンタルなイメージが描かれたものも多いカカワテ・ハポネス。メキシコ国内の様々な企業で商品化されており、市場やコンビニで買うことができるほか、酒場でおつまみとして提供されることも珍しくない。もちろん「日本風」とはいえ日本生まれではなく、学生時代にメキシコ留学していた記者も留学先で初めてその存在を知って驚いた記憶がある。

 メキシコ在住歴13年のライター長屋美保さん(47)によると、通常の「カカワテ(ピーナツ)」自体、メキシコでもよく見られるおつまみで、辛いチリパウダーをまぶしたものが一般的だという。

 そんなチリ味のピーナツと並んで人気なのが「カカワテ・ハポネス(日本風ピーナツ)」。「しょうゆ味なのに、すっかりメキシコのスナックとして人々の生活に浸透しており、小腹が空いた時のおやつや酒のつまみとしてなど様々な場面で食べられている」と話す。

 さらに、今やメキシコだけでなく、メキシコ系住民が多く居住する米国の西海岸地域などでも広く販売されているという。

 ▽まじめな人生を

 そんなグローバルなお菓子の発明者は戦前にメキシコへ渡った日本出身のヨシヘイ・ナカタニ(中谷由平)。生前の手稿やそれらを元に家族がスペイン語でまとめた彼の自伝には、その事績が詳細に記されている。

 自伝などによると、ヨシヘイは1910年4月30日、兵庫県洲本市(淡路島)で生まれた。畜産業を営む父親の収入は乏しく、「村にあった160軒のうち、最も貧しかった」。しかしある時、島の大会で育てた雄牛の価値が認められ、賞金を元手に資本を増やして食堂を始めるようになる。

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最終更新:2/20(木) 12:24
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