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おせちの定番カズノコ生産に黄信号 赤字で撤退相次ぎ業界岐路

2/21(金) 16:50配信

みなと新聞

 おせち料理に欠かせないカズノコ(ニシンの卵)の安定的な供給に黄信号がともっている。ニシン・カズノコ製品の主力原料である米アラスカ州の抱卵ニシン生産で、現地の加工生産業者(パッカー)が採算悪化を理由に今期の操業を撤退する動きが相次いでいるため。現地4社のうち大手2社が撤退を決め、今期生産量(加工前の魚換算)は6~7割減産となる可能性もある。年末のカズノコ製品供給への影響は避けられそうにない状況だ。

 これまで日本に流通するカズノコ製品の安定的な供給は、アメリカ、カナダ産のニシン漁に支えられてきた背景がある。ロシア産や北海道日本海産などがあるものの、いずれも供給の安定性と品質でアメリカ、カナダ産に及ばない。

 しかし日本が年末商戦真っただ中の昨年末、不穏な空気が漂いだした。昨年12月上旬、米アラスカ州漁業狩猟局は、今年のブリストル湾抱卵ニシン漁獲割当を、資源が高水準であることを踏まえて2019年比44%増やすと決めた。ただ、時を同じくして加工生産業者の一角が不採算を理由に20年のニシン事業を撤退するとの観測が浮上。大手のトライデント社は年明け後、正式に今年のブリストル湾ニシン事業の撤退を決めた。

 撤退を受け、日本の商社などは漁民系企業で最大手シルバーベイ(SB)社と操業に向けての交渉を行ったものの折り合えず、今月中旬にSB社もブリストル湾の操業中止を決めた。「長らく日本国内の販売環境や加工業界のコスト構造が変わらず、ニシン事業の赤字が続いており、継続は困難と判断した」と、ある関係者。現地生産は昨年までの4社体制から2社に半減する見込みで、大幅な減産は必至だ。

 同じアラスカ州の有力産地・サウスイーストシトカも19年比2倍の漁獲枠が設定されたたが、こちらもSB社が操業中止を決め、他の中小加工生産業者も追随する動き。昨年に続き今年もニシンの小型化が見込まれ、漁業者・加工生産業者は採算悪化への懸念。さみだれ式に中止の動きが広がりそう。関係者の話を総合すると、シトカは2年連続で供給ゼロとなる可能性が高い。

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最終更新:2/21(金) 16:50
みなと新聞

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