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【本当に大丈夫?】オペルの日本再上陸 浮かぶ4つの疑問 求められる正攻法の事業戦略

2/22(土) 13:51配信

AUTOCAR JAPAN

オペル、日本に再上陸 なぜ2021年なのか?

text:Kenji Momota(桃田健史)

ドイツの自動車ブランド、オペルが2021年に日本再上陸。

【写真】日本で販売される3車種のオペル そのライバル【比べる】 (124枚)

正規輸入としては、15年ぶりとなることで、ネットメディアを主体に大きな話題となっている。

一方、オペルというブランドが本当に日本に根付くのかについて、疑問視する声もネット上には数多く見受けられる。

本国ドイツでオペルに関する様々な取材体験をもとに、筆者(桃田健史)としての私見を述べたい。

第一の疑問。「なぜ、このタイミングなのか?」である。

最大の理由は、オペルブランドを統括するグループPSA(プジョー・シトロエン)の海外戦略の一環として「この時期になってしまう」ということだ。

グループPSAは2017年にGMから買収したオペルで、商品企画/設計/開発/部品購買/製造/販売/マーケティングなど自動車メーカーとしての事業を根本的に見直した。

買収時の企業としての状況が悪ければ悪いほど、見直し効果は目立つ。いわゆる、V字回復である。

まずは、オペルの主戦場である欧州市場での販売を強化し、シェア17%まで引き上げることに成功した。

次に狙うのは当然、海外市場だ。2020年半ばまでに、世界販売台数の10%を欧州以外とする目標を立てている。

そうしたなかで中国、アメリカに次ぐ世界第3位の日本史上に再上陸となるのは当然だ。裏を返せば、日本はその他大勢のひとつに過ぎない。

PSAのプチ成功体験、裏目に出ないか?

グループPSAとして、日本市場での近年の実績は確実に上昇している。2019年には過去5年間で年間販売台数はほぼ2倍となる1万6000台となった。

2019年末には、ミニバンのシトロエン「ベルランゴ」がネット販売が開始5時間半で完売したことが記憶に新しい。

「ベルランゴ」の兄弟車、プジョー「リフター」も根強い人気がある。

こうしたグループPSAの、日本市場におけるプチ成功体験を、オペルで焼き直すことが極めて難しいと思う。これが第二の疑問だ。

理由は単純で、シトロエンやプジョーなどのマイナーブランドがプチブームになっているのは、日本人にとって「普段ではあまり馴染みのないフランス車」だからだ。

さらに言えば、フランスには高級車ブランドが事実上、存在していない。

つまり、シトロエンやプジョーが「格下」という位置付けにならない。グループPSAにはDSブランドがあるが、日本では知名度が極めて低いことが、シトロエン/プジョーのブランドのポジショニングを結果的に助けている。

このような状況を鑑みると、オペルはメルセデス・ベンツ、BMW、アウディの「格下」というドイツ車ヒエラルキーから、結局抜け出せない。

さらに、日本市場ではドイツ市場主義、および最近のマイナー系躍進というトレンドの谷間に、オペルは位置している。

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最終更新:2/22(土) 13:51
AUTOCAR JAPAN

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