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映画コメンテーター有村昆が選ぶ、ダニエル・デイ=ルイス映画3選

2/23(日) 18:00配信

HOMINIS(ホミニス)

徹底した役作りで知られ、3度のアカデミー賞主演男優賞を獲得したダニエル・デイ=ルイス。浮世離れした"孤高の俳優"の魅力を、有村昆さんが3本のおすすめ作品とともに語る。

【写真を見る】「マイ・レフトフット」より

「ダニエル・デイ=ルイスこそが役者の最終形態」と語る有村さん。そのすごさが凝縮されているという一押しが「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」だ。

「彼は役作りに1年ぐらいかけて映画の世界観に没入しているので、本当に映画の中で"生活している"という印象を受けるんです。たまたまそこにカメラがあって、生活の一部を撮っているような感じ。体重を増やしましたとか、外見を変えましたとか、そういう次元ではなく、もはや演じているとすら思えない達人の域です。その頂点が傑作『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の主人公役。狂気に満ちた言動の一つ一つが、本当に見事です」

デイ=ルイスが最初にアカデミー賞主演男優賞を獲得したのは「マイ・レフトフット」。この時からすでに役に対する徹底ぶりは一線を画していた。

「脳性小児まひの主人公・ブラウンを演じた『マイ・レフトフット』では、撮影期間中ずっと車いすで生活していたそうです。でも、デイ=ルイスは演技をアピールしている感じを受けないんですよね。ものすごい役作りをしているのに押し付けがましくない。『ギャング・オブ・ニューヨーク』でも撮影している間はスタジオのセットに住んで、19世紀アメリカの服装、食事にこだわったみたいで、映らない体臭まで当時を再現しています(笑)。この映画、レオナルド・ディカプリオが主演にも関わらず、デイ=ルイスがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。ディカプリオがかわいそうですが、それぐらい圧倒的だったということです」

'17年の「ファントム・スレッド」で俳優業から退き、引退宣言をしたデイ=ルイス。しかし、もっと出演作を見たいというのが有村さんの本音だ。

「デイ=ルイスの作品を見たことがない方は、主演男優部門でオスカーを3度受賞した実力を体感してほしいですね。彼以外には存在しませんから。引退については、僕は宮崎駿監督と同じ現象だと思っています(笑)。いつか巨匠監督が隠居しているデイ=ルイスを訪ねると思うんです。『4度目のオスカーで有終の美を飾らない?』とか言って。自分を超えるのは、自分しかいない――そんな熱いカムバックに期待しています!」

ありむら・こん●'76年7月2日生まれ、マレーシア出身。年間500本の映画を鑑賞。最新作からB級映画まで幅広い見識を持つ。YouTubeでは「有村昆のシネマラボ」で本音の映画批評を配信中。

聞き手=山崎ヒロト(Heatin' System)

HOMINIS

最終更新:2/23(日) 18:00
HOMINIS(ホミニス)

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