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『田舎暮らし』近畿の人気トップ3独占…兵庫・但馬地方の“移住力”「1粒で2度おいしい人生に」

2/23(日) 7:03配信

関西テレビ

国が今、強く推し進めている『田舎暮らし』。中でも、兵庫県北部の但馬地方は、近畿で「最も住みたい田舎」として注目が集まっています。

 豊岡市、朝来市、養父市、香美町、新温泉町の3市2町からなる但馬地方。

 1月に出版された『田舎暮らしの本 2月号』(宝島社発行)で発表された「住みたい田舎ベストランキング」を見てみると、全国629市町村に対し、暮らしやすいと思う田舎をアンケート調査したところ、近畿エリアではトップ3を但馬地方の3市が独占したんです。

 一体この但馬地方にはどんな魅力があるのでしょうか。

■但馬地方が今アツい!住宅・就労支援も充実

 大阪市内で開催された田舎暮らしの相談会。全国32の自治体がブースを出展していて、移住希望者が相談に訪れていました。

大阪市在住 50代男性:
「将来、引退した後に田舎暮らしを夢描いているという感じです」

大阪市在住 30代女性:
「今(息子が)3歳なんですけど、幼稚園の間に移住できたらと」

大阪市在住 40代女性:
「子育てしたかったのは田舎かなと思ったんで」

 この相談会には、ランキングで3位となった兵庫県朝来市のブースも…。

朝来市 総合政策課 山内係長:
「(ランクインは)とても嬉しいことです。朝来市としては地域のつながりであったりとか、人と人のつながりであったり、受け入れ体制の充実にすごく力を入れていますので」

 兵庫県の中央部に位置し、天空の城・竹田城で有名な朝来市。

 およそ3万人が暮らしていますが、過去15年で約5000人減と、ここ数年は人口減少という大きな課題に直面しています。

 そこで朝来市は、空き家を購入して、リフォームした場合は最大70万円、空き店舗を活用して新たな店を出す場合は最大180万円など、移住者に対する手厚い支援を打ち出しています。こうした支援に魅力を感じて、移り住む人が徐々に増えてきているんです。

 大西さん(58)は、3年前に大手百貨店を早期退職し、妻(56)と京都市内から朝来市に移住しました。築90年の空き家を含む1400坪の土地を、500万円に満たない破格の値段で購入。市からの支援で、とてもきれいにリフォームすることができました。

 田舎暮らしを満喫する日々を送っていますが、気になるのはオカネのこと。どこに収入があるんでしょうか。

大西さん:
「収入はないんです。割増退職金ですけど、定年退職した時と同じくらい出ましたかね、55歳で。その退職金と京都の持ち家(を売却)、これはもうローンが済んでましたので」

 しばらくは貯金を切り崩して生活し、65歳以降は年金を頼りにするプランです。

 また、ほぼ独学で農業を勉強し、無肥料・無農薬の野菜などを作って、自給自足に近い生活を送っています。都会暮らしと比べ、生活はどう変わったのでしょうか。

■田舎暮らしは、生活費が下がる

 京都市に住んでいた時は、月35万円かかっていたという生活費。

大西さん:
「たぶん20万円もいかないくらいかな。生活費だけで。お米は(去年から)自分で作りだしましたけど、黒豆もあり、麦もあり、野菜を山ほど地域の方からいただくので」

 大西さんはサラリーマン時代と比べ、田舎暮らし後に外見が全く変わり、元同僚に会っても気づかれないといいます。

大西さん:
「山々に囲まれて、鳥のさえずりを聞いて、虫やカエルの声を聞いて…全く新しい人生がイチから始まっているような一粒で二度おいしいような人生になっています」

■子育て世帯にも支援がアツい

 その朝来市のお隣り、人口およそ2万3000人が暮らす養父市は、「田舎暮らしランキング」で、2年連続・近畿エリア1位という人気ぶり。実は過去4年、養父市と朝来市が常に1位を独占しているんです。

 但馬地方が人気のワケ。「田舎暮らしの本」の柳編集長によると、自治体が移住者の受け入れ体制について、切磋琢磨していることに加え、神戸の街や日本海に出るにも利便性が高く、海や山の幸に恵まれ、四季折々の風景が楽しめることが最大の魅力と分析しています。

 養父市の強みは充実した「子育て支援」です。第2子からは給食費半額。遠距離通学には交通費を補助する制度などがあります。

 妊娠のサポートから、供の大学進学までの子育て支援などが支持され、年々移住者も増加。養父市にずっと住み続けると、こんなお得なことも…。

養父市 やぶぐらし課 富田さん:
「大学進学の際、養父市独自の支援になるんですけど、最大240万円を奨学金として受け取れる制度があります。(Q.それは返す必要のない奨学金?)はい、そうなんです」

 大学卒業後、養父市に戻り8年間さらに住み続ければ、奨学金の返済が免除されるというものです(条件等あり)。

 4年前に、兵庫県明石市から養父市に移住した狭間さん(39)。

 元々飲食業界で働いていましたが、『自分で有機野菜を作り、販売したい』という夢があり、農業を習うため、養父市に1年間通った末に、専業農家になる道を選びました。

狭間さん:
「(月々の生活費は)全部含めて15万円ぐらいですかね。食費などが野菜で自分のところの野菜を食べたりするし、家賃も安いので、その分生活費のトータルとしては安いです」

 狭間さんは、妻(30)、長女(2)と賃貸物件に住んでいますが、実は取材翌日に妻が次女を出産。移住者が養父市の人口増加に貢献するというとてもハッピーな話です。

 子育てのためにも農業に一層力が入ります。1200坪の農地は地主の厚意で、無料で借りていて、収穫した野菜は主に地元の直売所を中心に出荷しています。

狭間さん:
「やはり自分が育てた野菜に自分の名前を付け、売り場に並んでいるというのを見た時は、すごくうれしかったです。手に取ってもらっていたので『よしっ!』って感じで」

近所の男性:
「(狭間さんは)いい子やでぇ~。『消防に入ってください』って僕、家に行ったんですけど、『入ります。お願いします』って(笑)田舎って閉鎖的なところあるんでね。けど最近この地区にも何人も移住してきてるんで、僕はいいと思いますよ。野菜も沢山もらっとるし(笑)」

 実は同じ養父市内でも、市とは別に独自の移住支援を行っているのが、人口およそ750人の宿南地区です。地域独自の取り組みとして、小学生を持つ世帯がこの地区に移住すると、お祝い金として最大10万円がもらえるんです。

 案内してもらった宿南地区にある空き家は9LDKで、ガレージや畑を含めて、およそ100坪。なんと値段は税込みで620万円です。

 いきなりの購入は、ハードルが高いと思われるかもしれませんが、月々5万円の賃貸物件として移住体験することも可能。実は、兵庫県内の新婚夫婦がこの家を見学して気に入り、賃貸契約することにしています。

 手厚い移住支援に、自然や食、人も豊かな但馬地方。その人気はこの先も続きそうです。


(関西テレビ2月18日放送『報道ランナー』内「知っトク!ニュースなオカネ」より)

最終更新:2/23(日) 7:03
関西テレビ

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