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「VARをビジョンに映す」選手に与えた心理的影響は? ハンドの鈴木大輔、PK外したタリクの本音

2/24(月) 21:09配信

REAL SPORTS

今シーズンからJ1リーグ全試合で導入されている、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)。開幕戦となった湘南ベルマーレvs浦和レッズで、さっそくその効力を発揮した。

一度はハンドが見逃されるも、VARの介入によりオン・フィールド・レビュー(OFR)を実施。そして、Jリーグ史上初となる「スタジアムのオーロラビジョンによる映像共有」の末に、PKが与えられた。

この一連の流れは、選手たちの心理にどのような影響を与えたのだろうか? 当事者となった選手たちの言葉を紐解きながら、試合を振り返りたい。

(文=藤江直人)

2対2で迎えた69分に問題のシーンが起きる

結果が出るまでのわずか2分ほどの時間が、どれだけ長く感じられたことか。三菱電機製のオーロラビジョンに映し出される映像を凝視しながら、浦和レッズの鈴木大輔は心のなかで同じ言葉を何度もつぶやいていた。たとえ現状を覆すような判定が出されたとしても「受け入れるしかない」と。

「ぎりぎりのところで足を伸ばした後に、残っていた手にボールが当たってしまった、という感覚はありました。もちろん故意ではないけれども、自分としては出された判定を受け入れるしかない、と」

アルビレックス新潟時代にロンドン五輪の舞台に立ち、柏レイソル時代には日本代表として2試合に出場。スペインの地で約2年半にわたってプレーした経験も持ち、昨シーズンからレッズの一員になった30歳のセンターバックは、覚悟を決めた瞬間に抱いた思いをこう振り返っている。

湘南ベルマーレのホーム、Shonan BMWスタジアム平塚を舞台に、フライデーナイトJリーグとして開催された21日の明治安田生命J1リーグ開幕戦。ベルマーレが先制するもレッズが逆転し、後半に入って再びベルマーレが追いつくスリリングな展開のなかで迎えた69分だった。

勢いに乗るベルマーレが波状攻撃を仕掛け、パスを受けた右ウイングバックの石原広教が縦へのドリブル突破を選択。右サイドからペナルティーエリア内へ侵入し、対峙したレッズの左サイドバック山中亮輔を振り切った。慌ててマークについた鈴木が内側のコースを切りながら追走する。

「あの時間帯はかなりイケイケの流れでしたし、縦に、縦にと仕掛けていたなかで、自分自身もいける自信しかありませんでした」

小学生年代のジュニアからベルマーレひと筋で育ち、2017シーズンにトップチームへ昇格。昨シーズンは期限付き移籍したJ2のアビスパ福岡で37試合、2963分間にわたって武者修行を積み、満を持して復帰した今シーズンの開幕戦で先発を射止めた20歳がさらに縦へ加速する。

対する鈴木はゴールラインぎりぎりのところで必死に右足を伸ばし、半身の体勢で何とかボールを刈り取った。さらにバランスを崩しながらも素早く前方を向き、プレーを続行させようとした瞬間だった。勢いが失われず、ゴールラインを割ろうとしていたボールを右手が食い止める形になった。

勢い余ってゴール裏の看板まで走ってしまった石原は、自らがゴールラインを飛び越えたときに振り向いてボールの位置を確認。至近距離で見た鈴木の反則を大声でアピールしている。

「僕には明らかなハンドだと見えたので。なので『ハンドだ!』と言いました」

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最終更新:2/25(火) 7:46
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