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中学時代本塁打0本の山地裕輔が天理の4番に座り続ける理由

2/24(月) 12:00配信

高校野球ドットコム

 14試合で20本塁打を放った天理打線の4番を座り続けた山地 裕輔。大正シニア出身の山地は秋だけで公式戦3本を記録した182センチ80キロの大型スラッガーだ。神宮大会3打席連続本塁打を放った河西 陽路など強打者が揃うが、山地のポテンシャルの高さを見ると大きな期待を抱かせる逸材であることは間違いない。

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 首脳陣からの評価も高い山地の歩みを振り返る。

中学時代は本塁打0本。長打力を磨くために取り組んだこと

 元から長打力があったわけではない。大正シニア時代は主に三遊間と捕手を務め、球に長打があっても二塁打、三塁打程度でさく越えは1本もない。全国大会は二度経験しているが、バリバリの一流選手ではなかった。

 天理に進むきっかけとして、山地の母が天理大出身で、そのことを知った野球部関係者が山地を誘い、天理入学が決まった。

 高校入学と合わせて外野手に転向し、いきなり1年春からベンチ入りし、1年秋にはレギュラーとなる。

 そのとき、まだ長打力がなかった山地にとって転機となったのは1年冬の練習だ。コーチとマンツーマン指導を受け、ロングティーを中心にこなし、少しずつ長打力を身につけていく。
 初本塁打が飛び出したのは2年夏の大会前の練習試合で初本塁打。これが野球人生初めてのさく越え本塁打となった。

 そして新チームになり、さらに長打力を磨くために意識的に縦振りすることを心がけている。そのため山地は打席に入る前に縦振りする動作を繰り返しているが、これは無意識に縦振りで振り抜くためのイメージトレーニングだそうだ。

 また、スイング時に腰が開きやすくなる欠点を防ぐために腹筋に力を入れて抑える。その腹筋を鍛えることを行った。
 その結果、公式戦3本塁打を放ち、4番打者としての重責を果たした。

元プロの中村監督が明かす山地を4番で起用する理由

 中村監督は山地についてもっとやれる選手だと期待を込めている。
「将来的に4番を打てるのにふさわしい選手になってほしいために、4番としてずっと起用しつづけました。4番として打力があるかないかといわれたらまだないほうです。また前後の打者が秋の大会で良い結果を残したので、そう感じるところは仕方ないかもしれません」

 打撃がクローズアップされる山地だが、中村監督は山地の守備力を高く評価している。
「僕はあまり褒めないタイプですが、山地のセンターとしての守備力は非常に高いです。足も速く、肩も強い。そして打球判断がすごくいい。
 最もいい例として、神宮大会2試合の守備ですね。神宮球場は昼間になると太陽がホーム方向になるので、すごい守りにくいんです。でも2試合ともしっかりと守ったので、守備力は高いものを持っていると評価しています」

 山地の外野手の経験は高校になってから。それでも元プロの中村監督からは「ポジショニングも考えながらできる」と語るようにセンターはドハマりのポジションなのだろう。また、山地を4番を打たせているのは、能力を引き出したい思いがあるからようだ。

「山地は考えすぎる選手なんです。私の中で4番というのは、余計な事を考えず、来たボールをしっかりと振る。そういうどっしりさがほしいんです。まだ4番タイプではないからこそ4番以外の打順を打たせてしまうと思うのですが逆に5~6番だと、サインプレーなど制約が多くなるので、考えすぎる山地には適した打順ではない。それならば4番のほうが彼の能力を引き出せるのではないかと考えました」

 まだ完全爆発ではないが、3本塁打を放っているのだから、大きな可能性を感じる。中村監督も「彼がもっと打てるようになれば打線はもっと厚みが増す」と期待を込めており、山地も「もっと勝負強い選手になりたいですし、打撃はそこが課題です」と4番打者として活躍することに燃えている。

 現在も打撃面の課題と向き合いながら練習に取り組む山地。これほどのポテンシャルを持ち、さらにセンターの守備力が高い選手が甲子園で大爆発となれば、評価はうなぎ上りになる逸材だということは間違いない。

河嶋 宗一

最終更新:2/24(月) 12:00
高校野球ドットコム

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