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食用カイコ×ハンバーガー 表参道に期間限定オープン 碓氷製糸の原料で新メニューも

2/25(火) 6:03配信

上毛新聞

 東京・表参道に、カイコのさなぎを原料にした次世代食品「シルクフード」の販売店が期間限定でオープンしている。出店した都内の企業は海外産原料を使う一方、国内産の比率を高めるため碓氷製糸(群馬県安中市)のカイコで新メニューの開発も進める。牛や豚に代わる有望なタンパク源として世界的に注目される昆虫食分野でカイコに新たな需要が生まれれば、繭生産量の減少が続く養蚕県にとって光明となりそうだ。

◎昆虫食で需要創出 養蚕業の救世主となるか

 最先端の流行を発信する街、表参道にオープンした「シルクフードラボ」は、カイコのさなぎのペーストを原料にしたハンバーガー(1100円)やケーキ(500円)などを販売する。出店したエリー(東京都中野区)は創業して間もないスタートアップ企業。昆虫食というと群馬県内ではイナゴなどの伝統食でしかなじみがないが、一般の料理と変わらない美しい見た目に加え、おいしさを最も重視した。

 現在海外産を使う原料のペーストは今後、国内産の比率を高めていく方針で、繭生産量が全国1位で全体の約4割を生産する群馬県から供給が見込まれる。同社は昨年から全国の繭の6割が集まる碓氷製糸のさなぎを使った新メニューの開発に取り掛かっており、1年以内の完成を目指す。

 ハンバーガーのパテには約50グラム、約25匹分のカイコのさなぎペーストを使う。碓氷製糸のさなぎはコイや動物の餌などとして販売するが、安価に取引されているのが実態だ。

 2019年度の県内繭生産量が戦後最少の35.99トンとなる中、県蚕糸園芸課は「これまで副産物とされてきたさなぎが注目されることで繭に付加価値が生まれ、養蚕に好影響が期待できる」と話す。

 会社員時代に群馬県で勤務経験があるエリーの梶栗隆弘社長(33)は「取り組みを養蚕業の活性化につなげるため、日本で最も養蚕が盛んな群馬県内でさまざまなコラボレーションに挑戦したい」と話す。

 国連食糧農業機関が2013年に公表した報告書は、昆虫類は良質なタンパク質やカルシウムを多く含み、人口増加に伴う世界の食糧問題対策へ活用することを推奨している。牛肉と同等のタンパク質を得るのに必要な飼料も大幅に抑えられ、畜産に比べてエコな次世代食品として注目される。

 表参道の店舗は5月末まで営業する。抵抗感が高い昆虫食に関する市場調査を進め、今後の普及につなげる戦略だ。梶栗社長は「カイコを日本発の代替タンパク質として世界へ普及させたい」と話している。

最終更新:2/25(火) 6:03
上毛新聞

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