2月中旬以降、国内で新型コロナウイルスに感染した人が次々に報告されています。それまでは、中国の武漢から入国した人を中心に感染者が発生していましたが、最近は中国と全くつながりのない感染者がほとんどです。こうした事態に、日本政府は「国内発生早期」に入ったと発表しました。では、国内発生早期とはどういう段階なのでしょうか。また、この次に待っているのはどんな流行期なのでしょうか。【東京医科大学病院渡航者医療センター部長・濱田篤郎/メディカルノートNEWS & JOURNAL】
2月24日に世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は中国で流行が終息に向いつつあるとのコメントを出しています。この発言は中国での新規患者数が減少傾向にあるためですが、流行の震源地である湖北省ではいまだに多くの患者発生があり、もう少し経過観察する必要があります。このコメントの中で事務局長が懸念していたのが、中国以外の国で新たな流行が発生している点です。これは、日本、韓国、イラン、イタリアなどでみられている国内流行で、この流行が拡大すると湖北省のような事態に陥るだけでなく、その火の手が世界流行(パンデミック)にもつながりかねないのです。
2009年に新型インフルエンザが世界流行した際に、日本政府から流行段階(フェーズ)が発表されました。この時のフェーズ分類をもとに、今回の新型コロナウイルスの流行段階について日本を中心にした表を作成してみました(表)。
フェーズ1は「海外流行発生期」で昨年12月初旬に湖北省の武漢で流行が発生した時期になります。フェーズ2は「国内流入期」で、1月15日に国内で武漢から入国した人の感染が初めて確認された時に始まります。それからしばらくは、武漢からの入国者を中心に感染者の発生が続きますが、いずれのケースも感染源が誰かなど感染経路が追えました。ところが、2月13日以降に報告されている国内感染例は、中国との関係が不明なだけでなく、誰から感染したか感染経路を追えないケースが出始めました。これが国内発生早期すなわちフェーズ3の始まりです。
このように感染経路が追えなくなると、感染源が不明なため、その周辺で感染者が増えても気づかれず、大きな流行に発展する可能性があります。
そして、このまま流行が拡大すると、その次に起こるのがフェーズ4の流行蔓延(まんえん)期です。国内いたるところで感染者が急増するという事態になります。まさに中国の湖北省がこの状態と言えるでしょう。ここで注意していただきたいのが、フェーズ4は必ずしもおきるものではない点です。あくまでもフェーズ3の流行が拡大した場合で、この時期がないまま、フェーズ5の消退期に入ることもあります。
最終更新:2/26(水) 15:24
Medical Note
































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