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<旋風・十勝からセンバツへ帯広農>第2部 冬に磨くチーム力/上 実習通し集中力養う 野球と両立、精神的に強く /北海道

2/29(土) 10:47配信

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 十勝平野の中心、帯広市にある帯広農。学校の敷地面積は約110ヘクタールと広大で、約80ヘクタールの畑と実習林のほか、乳牛や鶏、豚も飼育している。家畜の世話をする酪農科学科のほか、農業科学科では畑の管理、食品科学科では原材料の加工と、学科ごとに時間外実習があり、野球部員も例外ではない。

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 2019年秋のレギュラーの中で唯一、酪農科学科に在籍する江森誠祥(せいしょう)選手(2年)は6時間目の授業を終えると、オレンジ色のつなぎと長靴にはき替え、消毒したゴム手袋をして豚舎に入った。

 体重約200キロの母豚と一緒に過ごすのは、1月下旬に生まれたばかりの10頭の黒い子豚。週1度の体重測定のため、江森選手はすばしっこく動き回る子豚を慣れた手つきで抱え上げた。不安からか子豚たちは鳴きながら暴れていたが、そっと体重計に乗せ、記録係の生徒と2人で体重を記録。生まれた時は1キロ前後だった子豚たちは、約2週間で5キロほどに成長していた。

 酪農科学科では、1クラス40人を5グループに分け、週ごとに実習を担当する。朝晩は乳牛や鶏、豚の餌やりの他、清掃や体調管理など実習内容は多岐にわたる。動物の感染症を予防するため、靴や持ち物の消毒にも気を使い、出産から約半年後の出荷までの課程を学ぶ。江森選手は「動物の世話は手が抜けない。一つ一つ集中しないとミスにつながる」と命の重さを肌で感じるとともに、集中力を養っている。

 実習を終えると周囲は既に薄暗く、練習着に着替えた江森選手は、豚舎から白い息を吐きながら小走りで屋内練習場に。この日は地域の少年野球チームに練習場を貸すため、約1時間の練習だったが、課題としているスローイングの自主練習に汗を流し、「野球と実習の両立は大変だが、寒くても眠くても動物の世話はしないといけないので、精神的に強くなれる」と話す。

 各自が実習を抱えるため、チームがそろって練習できる時間は週末などに限られる。1人でもできる練習はあるし、練習以外でも鍛えられ、野球に生かせる。そういう発想の転換がチーム力向上につながっていく。【高橋由衣】

最終更新:2/29(土) 13:39
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