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監督は24年前、ライオンを盗んだ青年。子どもが最初に犠牲になる社会の闇を映画に

2/29(土) 11:52配信

BuzzFeed Japan

自身初の長編映画で、カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞、アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた監督がいる。

フランスで生まれ育ったラジ・リだ。

映画の舞台はパリ郊外モンフェルメイユ。ヴィクトル・ユゴーの小説「レ・ミゼラブル」の舞台でもある。

着任したばかりの警官と同僚らが街のパトロール中、誤ってゴム弾で少年を撃ってしまう。それが次第に大きなトラブルに発展し、やがて地域の少年たちは警察官へと牙を剥く。

移民と、移民への潜在的な偏見を抱えた警察組織の対立を通じ、移民問題と格差などに揺れるフランス社会の緊張を描いたストーリーだ。

監督自身、映画の舞台となったモンフェルメイユで育った。その過程で自ら見聞きしたことをもとに、現実に即したストーリーづくりにこだわった。

「レ・ミゼラブル」、誰もが知る名作文学と同じタイトルを冠した、この作品に込めた思いは。【BuzzFeed Japan / 千葉雄登】

「これが18歳の僕と…ライオンです」

「僕自身が見てきた現実を、一人の証言者として正確にあぶり出すことを目指しました。自分自身が体験したことを、見たままに証言したかった」

現実に起きたことをベースに映画を作ることにこだわった理由を、ラジ・リはこのように説明する。

映画にはライオンをサーカスから盗むという描写が登場する。

「これが18歳の僕と…ライオンです」、そう語り彼がiPhoneで見せてくれたのは1枚の写真だ。

「当時はかなり大騒ぎになって、警察がきたり、メディアでも大きく取り上げられたり大変でしたね(笑)」

一見、フィクションにしか思えないようなこのシーンすら、現実に起こったことをベースに組み立てられている。

17歳でカメラを手にした

リ監督は今作で初めて、フィクションに挑んだ。

カメラを手に取るきっかけは2005年、フランスで起きた移民たちによる暴動だった。

3人の移民の若者が警官に追われて変電所に逃げ込み、2人が死亡。この事件を発端に暴動はフランスの様々な都市へと飛び火していく。

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最終更新:2/29(土) 11:52
BuzzFeed Japan

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