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新型コロナ検査に3千ドル以上…米・日の新型コロナへ対応の乱脈ぶり

2/29(土) 8:32配信

ハンギョレ新聞

米国で新型コロナの検査に3270ドルの高額請求 米国の検査件数はわずか445件…公認検査法が確立しておらず 日本でも1890件に過ぎず…検査受けられないという不満の声も 韓国では検査件数5万件上回る…一日1万件以上消化可能

 米フロリダ州マイアミに住むオスメル・マルティネス・アズキュさんは1月、中国出張から復帰して後、インフルエンザの症状が現れた。中国で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るっていた時期だったため、彼はマイアミの総合病院「ジャクソン・メモリアル病院」を訪れ、関連検査を受けた。結果は普通のインフルエンザだったが、数日後、アズキュさんは狼狽した。送られてきた治療費が3270ドル(約40万円)だったのだ。アジキュさんには民間の医療保険があり、自己負担分は1400ドルだけだった。しかし、保険会社はアジキュさんにインフルエンザが医療保険加入前の疾患とは関係ないことを示す3年間の医療記録を提出するよう求めた。

 「マイアミヘラルド」が24日付で報道したこの記事の要旨は、米国医療保険体系の乱脈ぶり、特に、ドナルド・トランプ政権が多くの米国人の健康保険加入を義務化したいわゆる「オバマケア」を解体した後の状況を批判するものだった。しかし、同記事は新型コロナウイルス感染症のような保健危機に、米国の公衆保健システムがどれほど脆弱なのかを示すものでもある。アジキュさんの事例は、米国で新型コロナウイルス感染症の検査が公共レベルでまともに行われていないことを表している。

 米国で新型コロナウイルス感染症のコントロールタワーの役割を果たす「疾病対策センター」(CDC)はホームページを通じて、26日現在、米国全域で実施された新型コロナウイルス感染症の検査は445件であり、確認された事例は14件だと発表した。確定例が14件に過ぎなかったのは、検査を445件しか行わなかったからだ。アズキュさんの事例のように、新型コロナウイルス感染症の検査はまだ個人の責任であるうえ、民間医療保険会社によって左右される米国の複雑な医療システムを考えると、新型コロナウイルス感染症の検査統計も信頼し難い状況だ。

 さらに、米国ではまだ公認された検査法も確立されていない状態だ。疾病対策センターは新型コロナウイルス感染症の検査法を開発したものの、その後問題点が発見され、実施を延期したと「ポリティコ」が20日付で報道した。現在、州政府および地方自治体の公衆保健センターでは、政府レベルで公認された標準検査が実施されていない。このため、公共保健研究所協会によると、米国全域の100以上の公衆保健センターは別個に新型コロナウイルス感染症の検査法を開発し、そのうち3カ所だけが疾病対策センターから公認された。

 公衆保健先進国という日本も事情はあまり変わらない。日本の厚生労働省がホームページで明らかにした統計によると、26日現在、日本では1890件の新型コロナウイルス感染症の検査が実施され、164人の感染が確認された。1890件の中には武漢からチャーター機で帰国した人たちなど、海外滞在歴のある人に実施した829件が含まれている。日本国内に留まっていた人に限定すると、1061件だけが実施されたわけだ。

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」における集団感染事件後、日本政府は一日最大3800件の検査が可能な体制を整えたと主張した。だが、現在日本では、1日100件の検査も実施されていないのが現実だ。加藤勝信・厚生労働相も25日、議会でこれを認めた。

 TBSは25日、ニュース番組「Nスタ」で新型コロナウイルス感染症と疑われる症状があるにもかかわらず、検査を受けられないという不満の声が上がっていることに触れ、需要に比べて不足した国内の新型コロナウイルス感染症の検査実態について報じた。同番組は、毎日数千件に上る韓国の検査件数に比べ、日本は少なすぎると批判した。

 日本政府は、民間の医療機関で行われた検査は含まれていないと釈明している。それが事実だとしても、日本では新型コロナウイルス感染症の検査などに関する正確な統計がないことになる。日本国内でも、安倍政府が消極的な姿勢を取るのは検査システムが確立されていないだけでなく、検査を拡大して感染者数が増えることを懸念した苦肉の策という批判の声が上がっている。すでに日本内外では今年東京五輪の開催の可否が議論になっている。

 また、日本でも新型コロナウイルス感染症の検査が完全に公営化されておらず、検査料を誰が負担するのか、また検査料の保険処理の可否などもまだ不透明な状態だ。

 米国より人口が6分の1未満で、日本の40%である韓国では27日午前9時現在、5万7990件の検査が実施され、1595人の感染が確認された。同日、検査件数は前日までの4万6127件に比べ、一日で1万1863件を消化したのだ。韓国では新型コロナウイルス感染症の検査が全額無料で国によって施行されており、感染が判明すればその治療も公共レベルで行われている。

 韓国が実施した新型コロナウイルス感染症の検査件数は、中国を除いては最多である。まだほとんどの国では1千~2千件前後の検査を実施しただけだ。5万件を上回る韓国の新型コロナウイルス感染症の検査件数は、これまで世界で中国を除いて報告された検査件数の約80%を占める。BBCなどの海外メディアは今回の韓国の対応と防疫が新型コロナウイルス感染症の退治と研究をリードするだろうと評価している。

チョン・ウィギル先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:3/1(日) 9:56
ハンギョレ新聞

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