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新型ウイルス流行の宗教団体、英国では以前から危険視 韓国

3/1(日) 10:02配信

The Telegraph

【記者:Nicola Smith, Seung Won Choi】
 韓国は現在、厳重な警戒態勢に入っている。新型コロナウイルス感染症流行の中心地となった韓国第4の都市、大邱では感染者数が急増し(2月26日時点で677人)、街はゴーストタウンと化している。

 さらに警戒すべきは、韓国での感染者の半数以上が新興宗教団体「新天地イエス教会」とつながりがあることだ。徹底した秘密主義で、信者は友人や家族に対して所属を隠すよう圧力をかけられているとされる。

 教会に通うのは日曜礼拝だけではない。信者の多くは毎日グループで集まり、長時間額を集めて熱心に聖書を研究している。

 全感染者のうち、新天地イエス教会の感染者数は501人に上る(2月26日現在)。保健当局は、2月に4回ミサに参列した61歳の女性信者が「スーパースプレッダー(感染拡大の感染源となった特定の患者)」だったかどうか調べている。

 大邱は首都ソウルから南に2時間の人口250万人の都市。権泳臻(クォン・ヨンジン)市長は「かつてない危機」を迎えていると話す。地元の幼稚園や公立図書館は閉鎖され、学校は春の新学期開始を延期する可能性がある。

 新天地イエス教会は全国にある施設を閉鎖し、ネット上でミサを開くとしている。

 だが、保健当局にとって、秘密主義で専門家からカルトと批判される(同団体は強く否定している)団体に対処するのは、新たな試練だ。

■ウイルス感染症は教会の急成長阻む「悪魔の仕業」

 新天地イエス教会は1984年にイ・マンヒ教祖(88)が創立。以後、英国や米国、ニュージーランド、オーストラリア、欧州各国、アフリカ、インド、中国にまで広がった。教会は、イ氏がイエス・キリストの役割を引き継ぎ、審判の日に信者14万4000人の肉体と精神を天国に連れていくと主張、長年物議を醸してきた。

 イ氏は2月21日、新型コロナウイルス感染症について、教会の急成長を阻む「悪魔の仕業」と断じた。

 新天地イエス教会の活動によって影響を受けたある英国人家庭が、テレグラフの取材に応じた。ある日突然、息子が教会の信者になったことを知らせる電話があったという。4年経った今でも、なぜ心優しく聡明な息子が家族とのすべてのつながりを断ったのか、理解できないと言う。

 教会は20代前半の若者を標的とし、頻繁に主流派の教会や大学の構内で勧誘しているようだ。従来の教会より「優れた」真実を伝え、確立された教義を変えて「終わりの時」に焦点を当てている。

 新天地イエス教会に詳しい専門家らはイ氏について、資金よりも権力や支配、名声を重視していると指摘する。

 英国国教会は2016年、ロンドンにある500の教区に対し、新天地イエス教会の関連団体「パラクリスト」に関する正式な警告を発した。パラクリストは英国の慈善団体として活動しており、教会に通う人たちを熱心に勧誘していた。

 教会当局や英国の新天地イエス教会信者の家族らは、パラクリストが偽名を使って活動を続けていると指摘している。【翻訳編集】AFPBB News

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1855年に創刊された「デーリー・テレグラフ」は英国を代表する朝刊紙で、1994年にはそのオンライン版「テレグラフ」を立ち上げました。 「UK Consumer Website of the Year」、「Digital Publisher of the Year」、「National Newspaper of the Year」、「Columnist of the Year」など、多くの受賞歴があります。

最終更新:3/2(月) 7:58
The Telegraph

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