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「人の心に響くプロレス」を追い続け…死の淵から蘇ったレスラー・高橋ヒロム復活までの道のり

3/4(水) 21:03配信

テレ朝POST

出会ってすぐ、こいつはヤバいと一目でわかった。高橋ヒロム、30歳。新日本プロレスに所属する人気プロレスラーである。

トレードマークは毛先だけ赤く染めた長髪。入場コスチュームは誰よりも派手で、リングでの行動も予測不可能。

「もっと、もっと、もっと楽しませてやる」

これが彼の決め台詞だ。

しかし、そんなヒロムは2018年、本人でさえ予測できなかった大アクシデントに見舞われ、命の危機を経験した。試合中に首を骨折したのだ。

そこから530日もの日々をリハビリに費やし、昨年12月にリングに復帰。そのために重ねた苦労、流した汗にはただただ頭が下がる。しかし、それ以上に心に刺さったことがある。ヒロムは復活したリングの上で実に楽しそうだったのだ。

知りたかった。彼は、なぜ笑うのか?

2月23日(日)深夜に放送されたテレビ朝日のスポーツドキュメンタリー番組『Get Sports』では、高橋ヒロムに完全密着。奇跡の復活を遂げた破天荒レスラーの復活への道を追った。

◆「俺自身が、俺の好きなプロレスラー」

2019年12月19日(木)、復帰戦当日。ヒロムの姿は東京・渋谷の美容室にあった。特別な日だからプロの美容師に髪を整えてもらう。毛先はすでに鮮やかな赤に染まっており、問わず語りにその秘密を教えてくれた。

「毛先、これ(赤は)昨日自分で入れたんですよ。なんで毛先だけが赤なんだって、けっこう言われることがあるんですけど、単純にハゲたくないからなんですよ」

頭皮のダメージを心配する繊細さが微笑ましかった。そしてそこから笑いにつなげる軽やかさも。ヒロムの細やかさとサービス精神は試合でのパフォーマンスにも生きている。

この日、530日ぶりに帰るリングは、彼にとってかけがえのない表現の場だ。

171センチ、88キロの身体はレスラーとしては小柄な部類に入るが、それを補って余りあるスピードと器用さ、技を組み立てる力がヒロムの武器だ。

予測不能の試合展開で観客の心を思うように揺さぶり、クライマックスに繰り出す必殺技、時限爆弾を意味するTIME BOMBで仕留める。

運動能力と表現力の両輪が創り上げる独自の世界に、観客は喝采を送る。「プロレス自体を楽しんでるところが素敵と思います」と笑うファンがいれば、「エネルギーを感じます」と賛辞を贈るファンも。なかには「新しい風を吹かせてくれる」と分析するファンもいる。

しかし、ヒロム本人の思いはいたってシンプルだ。

「自分がもしファンだったら、どんなレスラーのファンになるんだろうって考えたときに、自分なんです。俺は俺がやってることが好きなんですよ。俺自身が、俺の好きなプロレスラー像なんですよ」

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最終更新:3/4(水) 21:03
テレ朝POST

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