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「PCR検査、誰でもどこでも」はNGが6割超、医師1000人アンケート

3/10(火) 14:00配信

m3.com

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のPCR検査は、厚生労働省が定める基準をもう少し緩和し、実施可能な病医院を拡大すべきだが、一定の基準は必要――。

医師ら医療従事者を対象とする医療情報サイト「m3.com」が、3月9日から10日にかけて医師会員に実施した調査では、回答した1000人のうち、こう考える医師が4割を超えた。3月6日から保険適用されたPCR検査では、厚労省の基準で実施できるのは、「帰国者・接触者外来」を持つ医療機関等に限られている。厚労省基準を支持する医師も約2割おり、合計で6割超はPCR検査の実施施設に何らかの基準が必要であると考えていることが明らかとなった。一方、「医師が必要と判断した場合には、どこでもPCR検査を可能とすべき」と望む医師は約3割にとどまった。

ある病院勤務医から挙がった、代表的な意見をまず紹介しよう。

「全ての医療機関で検査可能とした場合、一般病院やクリニックに多くの患者が外来に押し寄せて、場合によっては、パニック状態に陥ることが大いに予想されます。また、一般病院では感染予防対策の徹底が要求されます。通常外来とは切り離した場所での診察が必要と思われますので、その体制が整えることができない医療機関では、厳しいのではないでしょうか。ただ、現状よりは若干基準を緩めた状態で、検査可能とするべきではあると考えます」

『どこでも誰でも』と広げたマスコミが悪い

報道番組やワイドショーでは、「PCR検査を依頼しても断られた」「もっと自由に検査できるようにすべき」との話題が取り上げられる。厚労省の基準では、COVID-19のPCR検査を健康保険で実施できるのは、「帰国者・接触者外来」を持つ医療機関(3月6日17時現在、全国で869施設)か、それに準じると都道府県が認めた医療機関(以下、帰国者・接触者外来等)に限られる。

限られた医療機関での実施を問題視する声もある中、m3.comでは現場の医師がどう考えているかを探るために実施したのが、今回のインターネット調査だ。3月9日に調査を開始。10日の朝までに集まった1000人の医師の回答を集計した結果、「帰国者・接触者外来等以外にも一定の基準を満たした施設でも可能とすべき」と考える医師が41.7%に上った。「帰国者・接触者外来等に限るべき」は21.9%。合計すると63.6%。

その一方、「医師が必要と判断すれば、どこの医療機関でも実施できるようにすべき」との回答は29.6%(他の回答は、「その他」2.2%、「分からない」4.6%)。

PCR検査の実施施設に一定の基準が必要と考える医師からは、次のような意見が挙った。

・どこでも検査できるようにすると、任意の医療機関へ感染者が行く可能性が高まり、感染機会が広がる上、心配した陰性者が大量に検査を希望すると検査費用も莫大な額になる。限られた人的・物的資源を効率的に運用するには、特定の施設でしか検査できないようにすることが必要であるが、帰国者・接触者外来が遠方にしかないなど、不利益を被る地域が生じないよう、手を挙げた施設で検査可能にしても良い。ただし、その場合は通常の個人負担を課すべきである。なお問題はPCRの感度や信頼性にもあり、これが陰性だからと安心してしまうことを危惧する。偽陰性者が感染を広げる可能性もあるからである。(勤務医)

・現行の方針が良いと考えます。一般の診療所では完全な防護をすることは困難であり、医師がPCR検査が必要と判断したら、帰国者・接触者外来などで対応すべきでしょう。帰国者・接触者外来がどこなのか行政からの情報はありませんので保健所に連絡するしか方法はなく、PCR検査が保険適用になっても、これまでと大きな違いはありません。(開業医)

・検査がどこでもできるような幻想を、マスコミが広げたのが悪い。『検体採取時に、医療者が罹患する可能性があるので、大きなところでないとできません』と宣伝しないといけなかった。(開業医)

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最終更新:3/10(火) 15:41
m3.com

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