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新型コロナウイルスのワクチン、いつ完成? 既存薬にも期待

3/11(水) 13:07配信

The Telegraph

【記者:Anne Gulland, Sarah Knapton】
 感染症のまん延が迫る時、最初に湧いてくる疑問の一つは「ワクチンはあるのか?」だろう。簡潔に答えると、「ない」。より丁寧に答えると、これまで感染症に対し、今ほど世界中でワクチン開発に注力していたことはない。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は二つの型に変異し、感染力に差がある。「S」型は症状が軽く感染力も弱いとみられるが、後から現れた「L」型は感染力が強く、確認された感染例の約70%が「L」型だ。

 米国で1月21日に感染が確認された男性の遺伝子を解析したところ、両型に感染する可能性があることが明らかになった。

 中国の研究者たちが、速やかに新型ウイルスの遺伝子配列を解析し公開したことは、ワクチンや抗ウイルス剤を開発し、治療方法や診断方法を構築するために時間と闘っている世界中の研究者たちにとって、恩恵となった。

 いくつかの研究所ではワクチンの試作品を開発し、動物実験を行っている。その多くが、4月には治験を始められると考えている。

 安全性と効果が証明されれば、「実際の状況下で」治験が行われる。それが成功すれば、来年初めには広範囲でワクチンが提供可能になる。

 最大の障壁は、ワクチンの大量生産と供給だ。もし、新型ウイルスの大流行が終わる前に準備できれば、世界中で大規模なワクチン配布が始まる前に、専門家が「キー・ポピュレーション(鍵となる人たち)」と呼ぶ医療従事者や危険にさられている人たち、患者と接触する人たちに向けて提供されるだろう。

医師らは既存薬に期待

 しかし、医師らはワクチンよりも、抗エイズウイルス(HIV)薬や抗マラリア薬など既存の薬に希望を見出している。

 中でも有望なのは、米製薬大手ギリアド・サイエンシズが開発した、広範囲で利用される抗ウイルス薬「レムデシビル」で、3月初旬から治験が始まった。

 レムデシビルはエボラ出血熱の治療薬として開発された。エボラ出血熱にかかった英スコットランド出身の看護師が、1年半後に合併症を発症した際の治療にも使われた。

 米国の医師らは今年1月、新型コロナウイルス感染症にかかり、他の治療で改善しなかった男性患者に対し、初めてレムデシビルを使用した。その後、男性患者は完治した。

 抗エイズウイルス薬も選択肢の一つと考えられており、中国では少なくとも2件の研究が進行中だ。

 また、タイでは3月初旬、抗エイズウイルス薬とインフルエンザ治療薬を組み合わせて使用した結果、48時間後にはコロナウイルスの検査で陰性が確認されたと、医師らが主張している。

 専門家らは、新型コロナウイルスの変異によりワクチン開発が困難になるものの、開発は可能だと指摘する。

 英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のデービッド・ヘイマン教授は「特に(コロナウイルスを含む)RNAウイルスに関しては、小さな変異は普通のことだ」と話している。【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:3/11(水) 13:07
The Telegraph

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