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高輪ゲートウェイ駅開業の裏 消える風景「提灯殺しのガード」 高さ1.5mの道なぜ誕生?

3/13(金) 6:06配信

乗りものニュース

その名も「提灯殺しのガード」 歩行者は屈んで通過 タクシーの「提灯」がぶつかることも

 2020年3月14日(土)、品川駅(東京都港区)と田町駅(同)のあいだにJR山手線と京浜東北線の新駅「高輪ゲートウェイ」が開業しますが、これにともない、そのすぐ近くで見納めとなる光景があります。

【画像】天井低すぎガード3か所の位置

 高輪ゲートウェイ駅の北側に、JRの線路をくぐるガード下の通路があります。ガードの正式名称は「高輪橋架道橋」ですが、地面から天井までが大変低いため「提灯(ちょうちん)殺しのガード」などと通称されています。この「提灯」とは、タクシーが屋根上に掲げている社名表示灯を指しますが、それがガードの天井にぶつかり壊れる事故が発生したことから、「提灯殺しのガード」と呼ばれるようになりました。

 このガード下は高輪ゲートウェイ駅設置工事にともなう周辺整備で無くなると、3年ほど前からテレビなどでも報道され話題となっており、その工事がついに2020年4月から始まる予定です。ガード下はクルマが通行止めになり、歩行者は仮の通路へ数十m迂回することになります。

 ガードをくぐる区道の長さは約230mです。JR山手線や京浜東北線、東海道線、東海道新幹線のほか、かつて車両基地だった箇所を一気にくぐります。歩道と一方通行の車道から成り、道路標識によると通行可能なクルマの高さは1.5mとされています(実際は約1.7mありますが、路面が凸凹しています)。

 そのため歩行者であっても、身長が165cm以上あると、頭を天井にぶつけてしまいそうです。首を傾けたり背中をかがめたりしながら歩いている人を多く見かけます。

「提灯殺し」がここまで低い理由 かつては水路ゆえ?

 なぜこのガードは天井が低いのでしょうか。その手掛かりのひとつが、ガードのそばにある水路にあります。ガード西側の入口では、水路が金網越しに見えます。覗くと小魚が何匹も泳いでいました。

 明治時代初期、この付近の線路部分は海でした。当時の海岸線から沖へ数十m離れた場所に土を盛って築堤し、その上に線路が敷かれました。また、海岸の船着き場と海とを行き来する船のために、堤の途中を橋にし、その下を船が通れるようにしました。つまり、当時は列車と船が立体交差していたのです。

 時代が下ると線路の両側は埋め立てが進み、線路の東西を歩いて行き来できるよう、水路に並行してこの通路が造られました。堤はそれほど高くなかったので、その下の通路も天井を低くせざるを得ず、こうして低すぎるガードが生まれました。

 では4月以降の工事の概要を見てみます。「提灯殺しのガード」の北側に、並行する第二東西連絡道路を造ります。これは歩道と片側1車線ずつの車道を設けた、地上部分と長さ約160mのトンネル部分から成ります。トンネルの高さは車道が4.7m以上、歩道が2.5m以上と、「提灯殺しのガード」に比べて高くなります。なお、第二東西連絡道路の東側は、東海道新幹線の橋脚などの影響で、ルートが「提灯殺しのガード」と重複します。そのため片側ごとの整備となり、一部は現在の水路部分を歩行者通路として整備します。

 工事はおもに、上を走る鉄道の終電から始発までの時間帯に行われるため時間を要し、予定では、歩道の完成が2026年度、クルマも通れるようになる完全な竣工が2031年度です。

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最終更新:3/13(金) 16:28
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