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原告「最悪の不当判決だ」 水俣病互助会・国賠訴訟

3/14(土) 8:07配信

熊本日日新聞

 「信じられない」「歴史上、最悪の不当判決だ」-。13日に判決が言い渡された水俣病被害者互助会の国賠訴訟控訴審。国などに損害賠償を求めたものの全面的な敗訴となり、退廷した原告たちは口を真一文字に結んで福岡高裁を見上げた。

 判決後、原告らは高裁に隣接する福岡市中央区の福岡県弁護士会館で記者会見。原告の訴える感覚障害がメチル水銀の影響でなく、他の疾患による可能性があるとした判決を振り返り、原告の倉本ユキ海さん(65)は「健康な体じゃないと、水俣病にはならないのか」と皮肉を込めて語った。

 原告弁護団の康由美弁護士は「水俣病を否定する一方、何が水俣病かという病像を示さないのはおかしい」と判決を強く批判。「病像に関し、これまで積み上げられてきた判例とも異なっている」と断じた。

 原告らが熊本地裁に提訴したのは2007年10月。痛みやしびれ、きつさに耐えながら、熊本地裁に足を運んだ。福岡高裁には「今度こそ」という思いで通い続けただけに、原告の緒方博文さん(63)は「全員認められるものだと期待したが…。一生闘い続けろということか」と肩を落とした。

 原告たちが12年半に及ぶ裁判闘争を続けたのは、胎児性患者や小児性患者と同世代の被害に光を当てたいという思いからだった。「同じ世代の代表」を自覚し、原告団を引っ張ってきた佐藤英樹さん(65)は「偏見や差別に苦しみ、患者認定の申請をしていない人も多い」とあらためて指摘した上で、「納得できない。最高裁まで争う」と心を奮い立たせた。

 裁判を傍聴し、会見場に駆け付けた熊本学園大水俣学研究センターの花田昌宣教授は判決を「棄却ありきで材料を集めた印象だ」と分析。「こんなずさんな判決がまかり通れば、司法に訴えても誰も水俣病とは認められない」と語気を強めた。(石本智)

最終更新:3/14(土) 8:07
熊本日日新聞

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