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新型コロナウイルス 遅すぎた中国全土の入国制限

3/14(土) 11:10配信

THE PAGE

 新型コロナウイルスの感染拡大は、日本でも続いています。政府は水際対策の強化として、9日に中国と韓国からの入国制限を強化しました。こうした措置をどう見るか。元外交官で平和外交研究所代表の美根慶樹氏に寄稿してもらいました。

【画像】新型コロナ感染抑止へ「行かない方がいい場所」とは? 専門家会議の見解まとめ

「異例」だった日本と韓国の対応

 新型コロナウイルスによる感染症は、発生源の中国では峠を超えつつあるといいますが、世界的には現在も拡大を続けており、感染者数は19万人を、また感染国の数は120か国・地域を超えました。

 世界保健機関(WHO)は、これまで世界の流行状況について慎重な表現にとどめていましたが、テドロス・アダノム事務局長は11日の記者会見で「パンデミック(世界的な流行)にあたる」と表明しました。

 日本でも感染は拡大しており、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は9日の会合後、「日本の状況は、爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度、持ちこたえているのではないか」「当面、増加傾向が続くと予想される」「すべての感染状況が見えているわけではないので、依然として警戒を緩めることはできない」との見解を発表しました。

 そんな中、日本政府は、9日から新しい入国制限措置を実施しました。中国(香港・マカオを含む)と韓国に発行済みの査証(ビザ)は無効とし、両国からの入国者は日本人を含め全員日本政府が指定する場所、自宅あるいはホテルなどで2週間待機するよう要請することにしました。また、中韓からの航空便の到着は成田、関西国際の両空港に限定することにしました。

 これらの新対策により、国外からのウイルスの流入抑制が期待されますが、今回の措置については問題がないわけではありません。

 中国全土からの入国制限はあまりに遅すぎました。爆発的に感染が広がっていた中国・武漢は1月23日に封鎖されましたが、日本政府は、中国について2月1日から武漢市のある湖北省、13日からは浙江省からも入国を制限しました。このように地域を限定して中国からの入国を制限した国は、日本と韓国だけでした。他の国々は2月初めに、中国全土を対象に入国を禁止、あるいは制限しました。

 日本と韓国だけが、米国とも、東南アジア諸国とも、欧州諸国とも異なる対応をした例は外交面であれ、その他の分野であれ、これまで皆無だったと記憶します。それほど異例の対応となったのには理由があったはずであり、中国の習近平主席の来日準備に悪影響が出ることが懸念されたために地域を限って入国を制限したのではないでしょうか。

 日本政府が今回の措置を決めたのは、習主席の来日が延期になった直後だったことも、微妙な事情を示唆していました。

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最終更新:3/14(土) 14:18
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