日々の食卓に並ぶ野菜。自分で育てられたら最高ですが、畑が必要な上、農作業の道具など準備するものはたくさんあります。
そんな煩わしさをすべて解消し、気軽に野菜作りを始められるサービスが、今人気を呼んでいます。土地の所有者と、野菜を作りたい人をつなぐ新しいサービス。人気の秘密を取材しました。
■シェア農園は手ぶらで通える“習い事”
薄田ジュリアキャスター:
「大阪府箕面市の畑に来ました。こちらでは、子供連れの家族からシニアの夫婦まで多くの方が和気あいあいと作業されているんですが、一体どなたの畑なんでしょうか?」
女性:
「ここは地主さんの畑を、シェア畑として一区画借りてます」
別の女性:
「『シェア畑』言うて、カーシェアリングと同じ感覚ですよね」
シェア畑やシェア農園という新たなサービスに、今企業が続々と参入しています。
そのひとつ、東京のアグリメディアという会社は、関東や関西を中心におよそ100か所、使われなくなった畑などを土地の所有者から借り受けて、野菜づくりを始めたいという希望者たちに貸し出しています。利用者は現在2万人を超えています。
アグリメディア 農園事業本部 勝田さん:
「フィットネスとかスクールに通う感じでですね、週1回体を動かしに行こうとか、野菜づくりを学びに行こう!みたいな形で気軽に来られる方が多いです」
野菜を作るには、野菜の苗、土を耕すための道具、肥料や防虫剤など、最初に準備するものがたくさんあります。
初心者なら野菜の作り方もイチから学ばなければなりませんが、シェア農園を利用すれば、道具などはすべて借りることができます。さらに…。
男性:
「ここは教えてくれるんでね。普通の貸し農園でしたら、土地だけを借りて、あと自分らで自由にするっていうことなんですけど、僕らみたいな素人は、逐一スタッフの人に聞いてできるんで、楽しいですね」
女性:
「色んなこと教えてもらえるスタッフさん結構充実してはって。教えてもらえてラッキー(笑)」
野菜づくりの経験豊富なスタッフが手取り足取り教えてくれるので、未経験の人でも安心です。
3平方メートルの畝を、月々6400円(税込み/野菜の苗・道具のレンタル代含む)で借りられるシェア農園ですが、実は『畑の2022年問題』で今後さらに広がりを見せそうなのです。
畑の所有者は、1992年から「生産緑地法」という法律によって固定資産税の負担軽減などで優遇されてきました。しかし、2022年に多くの畑でこの優遇措置の期限が切れるため、所有者の多くが一斉に農地を売り出す可能性があるのです。
シェア農園を展開する企業は、こうした畑を確保し、利用者を増やそうと考えています。
■“街なか”で野菜を育てて食べられる
薄田キャスター:
「大阪府門真市にあるショッピングモールに来ています。なんと、こちらの施設の屋上には、大きな畑が広がっているんです」
門真市のショッピングモールの屋上に広がる「アオゾラ農園」。このシェア畑を運営しているのが金本信博さんです。
本業は商業施設のリノベーションだという金本さん。このショッピングモールを建設する時、オーナーから「屋上で他とは違う面白いことをやりたい」と相談され、屋上でシェア農園を作ることを思いつきました。
最寄り駅から徒歩3分という“通いやすさ”と、ショッピングモールの屋上で野菜づくりという“意外性”が利用者に受けています。
金本さん:
「屋上は日当たりがよく、コンクリートで覆ってますから、スニーカーなんかでも作業できますから、安心です」
日当たりが良好のため、野菜もぐんぐん育ちます。ここでは、スーパーなどではあまりお目にかかれない珍しい野菜『ビーツ』も。栄養価が豊富に含まれていて、サラダやボルシチなどを鮮やかな赤色で彩ってくれます。
以前は野菜嫌いで、運動をすることもほとんどなかったという金本さん。シェア農園で野菜づくりを始めてから、ある大きな変化が…。
金本さん:
「今はほんとに(野菜が)大好きになりました。私は5年前まで体重が0.1トンありまして(笑) おかげで今はもう平均体重には近づいております」
実は、水やりや草むしりなどの畑仕事は、ウォーキングのカロリー消費量に相当するともいわれています。運動しながらおいしい野菜も作れる、まさに一石二鳥です。
■スマホひとつで野菜が作れる「リモコン農園」とは
一方、“ほとんど身体を動かさない野菜づくり”も登場していました。
薄田キャスター:
「実は、屋内からでもタブレット端末やスマホを使って、遠隔で農作業ができるサービスがあるんです。その名もリモコン農園です」
リモコン農園の畑があるのは、大阪府・岬町。利用者が、インターネットで水やりや草抜き、肥料の追加などを指示すると、現地のスタッフが指示通りに作業をしてくれるんです。野菜の成長を写真で確認することもできます。
システムを作ったのはNPO法人リライブの松尾匡さん。
松尾さん:
「本格的に農業されてる方からすると『なんだこれ?』って、思われるかもしれないですけど、別の切り口で興味を持っていただくために、このリモコン農園のシステムを考えたんです」
高齢化が進む岬町では、農家も徐々に減っていて、農地の13.8%は使われていない休耕地になりました。
松尾さんのNPO法人はこの休耕地を所有者から無償で借りてリモコン農園にし、地元に住む障害のある人をスタッフとして雇っています。
スタッフ:
「野菜つくるのが好きですね。最初から全部やっていくのが楽しいですね」
リモコン農園を通して、若者に雇用とやりがいを生み出しているのです。
松尾さん:
「若い人がこの岬町に今、仕事がなく、雇用の機会がすごく少ないために、町から出ていかざるを得ない状況になっています。農業は疲弊していますけども、その復活というのもみんな一緒になって取り組んでいければ…と思っています」
町おこしにも一役買ってくれそうな「シェア農園」。その可能性は今後さらに広がりそうです。
(関西テレビ3月10日放送『報道ランナー』内「知っトク!ニュースなオカネ」より)
最終更新:3/14(土) 16:01
関西テレビ






























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