ここから本文です

「陽性」でジムへ行ったら罪? 新型コロナトラブルQ&A【弁護士に聞いた】

3/16(月) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【人生100年時代の歩き方】

 新型コロナウイルス感染拡大が続く中、マスクの買い占めや転売、デマを流布したり、公共の場で咳をした人に絡むなどの迷惑行為が起きている。こうしたトラブルは法的にどうなるのか。北千住法律事務所・弁護士の金湖恒一郎氏に聞いた。

  ◇  ◇  ◇

(1)「陽性」でスポーツジムに行ったら犯罪か?

 スポーツジムからの感染事例が相次いでいる。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客の60代男性が、下船後すぐに静岡市内のジムを訪れていたり、ハワイ帰りで感染した60代の女性は発熱した夫を置いて、ジム通いをしていた。いずれも複数の店舗が閉鎖している。

 このように患者と濃厚接触したことが明らかであったり、「陰性」でも自宅待機を命じられていたのに外出したことで、結果的に複数人に感染させている例が報告されている。

 店が営業停止になったり風評被害で潰れたりした場合、原因となった人に賠償を求めることは可能なのか。

「新型コロナウイルスに感染している蓋然性が高いとわかっていたり、自宅待機を命じられていたにもかかわらず外出し、立ち寄った先で多くの人を感染させたことで、業務に支障が出たという場合は、不法行為に基づく損害賠償請求を受ける可能性があります。また、人に対しては故意や過失により感染させたとして、傷害罪や過失傷害罪に問われる恐れもあります。もっとも、その人が他人に新型コロナウイルスを感染させたということの立証は難しく、それができればの話ですが……」

 立証のハードルは高いが、自分だけは大丈夫だと考えていると痛い目に遭う可能性はある。

 韓国では、新興宗教の教祖が新型コロナの集団感染をさせたとして殺人罪で告発されている。

(2)「トイレットペーパーが品薄になる」とデマを流した職員はどんな罪に問われる

 コロナウイルス対策に関する「デマ」が流布し、パニックにつながっている。鳥取県の米子医療生活協同組合の職員がSNS上に「トイレットペーパーが品薄になる」と投稿し、謝罪する事態になった。

 デマをネットで拡散し、買い占めや店の倒産などにつながれば罪に問えるのか。

「デマが企業や人の経済的信用、社会的信用を低下させたり、業務を妨害するものであれば、『信用毀損罪』『偽計・威力業務妨害罪』『名誉毀損罪』にあたる可能性があります」

 いずれの罪も、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。

「ただ、特定の企業や人に言及していない今回の職員の行為を罪に問うことは難しいと考えられます」

(3)マスク20枚を12万4000円で売る転売屋は逮捕される?

 現在、マスクは複数の転売サイトで定価の3~4倍の価格で取引されている。マスクに限らず、トイレットペーパーや消毒用アルコールなどが出品されているが、法的な規制はできないのか。

「政府は、『国民生活安定緊急措置法』の施行令を改正し、ネットでの転売に罰則を設けて規制すると発表したので、今後は規制が可能と考えられます」

 悪質な出品者のコメント欄には通報が相次いでいるため、「ヤフオク!」は今月14日以降、オークション形式のマスク出品を禁止。「メルカリ」も利用制限中だ。

1/2ページ

最終更新:3/16(月) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事