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九電が川内原発1号機停止 テロ対策施設未完成で初 20年末の再稼働目指す

3/16(月) 20:16配信

毎日新聞

 九州電力は16日、原子力規制委員会が設置を義務付けたテロ対策施設の完成が期限に間に合わないため、川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県)の稼働を停止した。同施設の未完成を理由に原発が停止するのはこれが初めてで、今後は他の原発でも相次ぐ。業績悪化に加え、必要な安全対策費も膨らんでおり、電力会社にとって原発事業の経営は厳しさを増している。

 1号機の停止は施設が完成する12月まで続き、九電は2020年末の再稼働を目指す。他に同様の理由で今年停止を予定する原発は、川内2号機(5月)、関西電力高浜3号機(8月)、同4号機(10月)。現在稼働できる状態の9基のうち4基が止まることになる。他の四国電力伊方原発なども対策が追いつかず、21年以降に停止する可能性がある。

 テロ対策施設は、東京電力福島第1原発事故後の13年に規制委が新たな規制基準を導入する際、設置を義務化した。工事計画の認可から設置まで5年を期限としたが、過去に設置例がないため審査が長期化している。

 施設は航空機の衝突も想定しており、「ビル二つ分の施設を埋めるほどの大規模工事」(九電幹部)。19年4月に電力3社が間に合わない見通しを規制委に伝えたが、規制委は「安全がおぼつかない」として期限延長を認めず、停止させる事態となった。

 原発が停止している間、火力発電で足りない電力を補う必要がある。原発の発電コストは1キロワット時当たり10・1円だが、火力発電は石炭を使うと12・3円、液化天然ガス(LNG)では13・7円かかる。電力自由化で価格競争が激しくなり、九電、関電とも電気料金は値上げしない方針で、業績悪化は避けられそうにない。

 原発を巡る環境は全国的に厳しさを増している。福島原発事故後に全国の原発が全て停止して以降、再稼働に向けたハードルが高くなった。東電の柏崎刈羽原発(新潟県)など地元の理解が得られない原発もある。再稼働できても仮処分による運転の停止といった「訴訟による停止リスク」もつきまとう。

 安全対策費は増加の一途をたどり、電力11社で計約5兆5000億円に膨張した。規制委は19年、震源を特定できない「未知の活断層」への対策強化を求める報告書をまとめており、川内原発や玄海原発(佐賀県)などでは更なる安全対策を迫られる可能性もある。【高橋慶浩、杉山雄飛】

最終更新:3/16(月) 21:29
毎日新聞

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