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<北朝鮮内部>金正恩政権がコロナ肺炎封じに成功? 各地で隔離解除 都市住民の農村支援も実行の構え

3/16(月) 5:10配信

アジアプレス・ネットワーク

コロナ肺炎防疫のために隔離されていた人たちが、続々と解除・復帰していると、北朝鮮国内の複数の取材協力者が報告してきた。

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咸鏡北道茂山(ムサン)郡に住む取材協力者A氏は3月13日に次のように伝えてきた。

「外国人と接触のあった税関員、税関員と二次的に接触した人たちが2月20日までに全て隔離解除されて出てきた。職場や民家の消毒作業は続いているが、中国の状況が安定したとの情報が入り緊張は少し和らいでいる。市場の人出も若干増えた」

両江道恵山(ヘサン)市の協力者B氏も、13日に、「隔離されていた貿易関係者は、2月末に全員隔離解除された。期間は30日間だったそうだ。別途に職場で隔離されていた商社員たちも復帰している」と報告してきた。

北朝鮮国営メディアは、3月1日に北部の平安北道(ピョンアンプクド)などで7000人を「医学的監視対象者」としていたと報じた。隔離のことだろう。また8日には、各地で3650人を隔離解除したと伝えている。これらの数字が正確なのかは別にして、実際に隔離解除が進んでいることが、アジアプレスの国内調査で確認されたわけである。

◆正常化の兆しも、住民の困窮進む
北部地域に住む別の協力者Cさんは、協同農場に調査に赴いて次のように報告してきた。

「コロナ肺炎でどうなるかと思っていたが、(種付け期の)都市からの『農村支援』受け入れは例年通り行う方針で準備が始まった。堆肥作りの人糞集めも行われている」

北朝鮮では4月から初夏にかけて、都市住民が援農のために農村に出向く「農村動員」が全国で行われる。トウモロコシの種付け、田植え、草取りなどの作業を、日帰りや泊まり込みで行う。

「農村動員」の時期には、北朝鮮全土でおびただしい人口が全国を移動する。これはコロナ肺炎の感染と拡散の危険性が高まることを意味する。堆肥作りも、ヒトの排泄物を扱うため同様に感染リスクが高まる。

ただ、「農村動員」の準備や堆肥作りの実施には地域差があるようだ。協力者によれば平安北道の一部では堆肥作りは中断されているとのことである。コロナ肺炎に対する警戒と対策は、全国一律ではなのだろう。

いずれにせよ、金正恩政権がコロナ肺炎の封じ込めに一程度の自信を持つに至り、隔離解除や「農村動員」決行という判断を下したのではないかと推測できる。

他方、中国国境を封鎖して一カ月半が経ち、住民たちの暮しには深刻な影響が出ている。貿易が完全にストップしたため中国産品が高騰、市場は極度の不振に陥っている。

前出の協力者のB氏は、「コロナ肺炎にかかって死ぬより、飢えて死ぬ方が早いのではないかと庶民は言い合っている。一日も早く中国国境が開いてほしい」
と窮状を訴えた。(カン・ジウォン/石丸次郎)

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

最終更新:3/23(月) 9:31
アジアプレス・ネットワーク

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