新型コロナウイルスの感染拡大を受け、外食を控え、代わりに家庭で食事をする「巣ごもり」が広がっている。スーパーマーケット各社は内食需要の受け皿として、来店客数や買い上げ点数が増加。冷凍食品や缶詰の他、カップ麺、パスタなど長期保存が利く商品を中心に売り上げが大きく伸びている。水産や惣菜部門も内食需要の恩恵により、売り上げは横ばいから増えている会社が多い。
首都圏で展開するサミット(東京都杉並区)は感染が広がりだした2月の既存店客数が前年同月比で6・9%伸びた。買い上げ点数も1・8%増え、「まとめ買い需要が発生した」と同社は推測する。水産部門の既存店売上高も7・6%増え、来店客数の増加により底上げされた形だ。生食用商品や切り身、冷凍、塩干品が満遍なく売れたという。惣菜部門は10%増。「家飲み需要の拡大により、売り上げが伸びた」(同社)
イオンリテール(千葉市)は「水産、惣菜とも売り上げは大きく変わっていない」。家庭で料理をする機会が増えたことにより、刺身や切り身などは堅調だった。ライフコーポレーション(東京都台東区)の首都圏エリアも「水産を含めた食品全体の動きは良い」(同社)。「家で少しでも良いものを」という心理により、刺身や寿司の売り上げが好調だという。
一方、東海地方に店舗展開するヤマナカ(名古屋市)の1月21日~2月20日の既存店客数は前年同期比1・8%減、買い上げ点数は3・1%減だった。「前月までとほとんど同じ動きで感染拡大の影響は数字上は出ていない」(同社)。関西、東海地方に店舗を持つ平和堂(滋賀県彦根市)は1月21日~2月20日の既存店客数が0・6%増えた。一方、買い上げ点数は1・6%減。「暖冬に加え、コロナウイルスの拡大による買い控えの影響が大きかった」と同社。水産の既存店売上高は2・4%減、惣菜は2・8%増だった。
ただ、水産部門では買いだめができる冷食やカップ麺、免疫力強化に効果があるとされる納豆やヨーグルトなど特定の商品の売り上げが大きく伸びているということはなさそうだ。「小中高の臨時休校の影響で家庭の昼ごはん向けの焼きそばなどに使えるシーフードミックスがよく売れた」(首都圏の大手スーパー)などの声はあるが、一部にとどまる。中部大がコロナウイルスの抗体を増やす効果があると発表(その後、取り下げ)したアオサについても「2月末に瞬間的に売れたが、3月から通常の売れ行きに戻っている」(同)。
3月に入り、「家庭の需要は回復しつつある」(ヤマナカ)との見方が出る中、スーパー各社は「巣ごもり」消費に対応した商品の拡充を図る。一方、「先行きが見えないため特定の商品を拡充するのではなく、需要に応じて品ぞろえしたい」(イオンリテール)との声も。来店客が感染に対して敏感になる中、惣菜はばら売りからパック売りに切り替えているという声が目立った。
[みなと新聞2020年3月16日付の記事を再構成]
最終更新:3/16(月) 10:50
みなと新聞




























読み込み中…