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インド、顔認識技術を使って1100人以上を逮捕

3/17(火) 12:00配信

ギズモード・ジャパン

プライバシーか安全か。

この数十年間でもっともひどい暴動が2月末にインドのニューデリーで起きた直後、インドの司法当局はその暴動に関与したとされる1100人以上の身元を特定するために顔認識技術を使いました。インドのアミット・シャー内務大臣は、司法当局はその顔認識システムに運転免許証などの政府が発行した身分証や他のデータベースからの写真を提供したと国会で語ったのです。

世界最大規模のデータベース×精度不明なテクノロジー

Techcrunchの報道によれば、司法当局が顔認識システムに入力した情報には、10億人以上の国民に発行された12桁のアドハー番号(個人の生体情報と人口統計的なデータに基づく国民識別番号)が含まれていたとのこと。これは任意のプログラムですが、その類では世界最大規模のものになります。

インド国内で容疑者を追跡するため顔認識を使うことに関しては法的な問題が山ほどあります。現在、こういった技術の倫理的な使用を明文化する法律はありません。ニューデリーのデジタル権利擁護団体Internet Freedom Foundation(IFF)によれば、行方不明の子を特定しようとした際、そのシステムにはたった1%の精度しかなく、「男児と女児の区別がつかなかった」とか。同団体は、インドの司法当局にはこの技術に基づいて国民ましてや暴動に関与したとされる人々を逮捕する明白な法的権限はないと主張しています。

データベースの正しい使い方はまだ決まっていない

しかし、インドで警察が顔認証技術を使ったのも、アドハーのデータが司法当局と共有されたのも今回が初めてではありません。今年の初めにあった抗議活動において、ニューデリー警察は捜査の中で容疑者の身元を明らかにするため顔認証技術を用いました。ロイターは先月、活動家たちは「新技術まわりの不十分な規制」と、自身の宗教が理由で標的にされ得ることを懸念していたと報じています。

2013年、中央捜査局(CBI)はゴア州で起きたレイプ事件の捜査をしていました。犯行現場で指紋が見つかり、身元特定のためアドハーの全データを収集・管理している運営団体のインド固有識別番号庁(UIDAI)に指紋の記録をすべて引き渡すよう依頼します。ボンベイ高等裁判所は当初、UIDAIにデータを譲渡するよう求めましたが、上訴を受けて、代わりに中央科学捜査研究所(CFSL)に犯行現場の指紋とアドハーデータベースのものが照合可能かどうか調査するよう命じることに。結局、裁判所はアドハーのデータがアドハー保有者自身からの同意なくしていかなる第三者とも共有できないと裁定したのです。

ですが、アドハーのような膨大なデータベースと顔認証技術を自由に使えれば、司法当局は誰だろうといかなる理由で特定あるいは誤認できる可能性があるということ。ウッタル・プラデーシュ州のO P Singh元警察署長は、ロイターに同技術は「不法逮捕の件数を減らし、55万人以上の『犯罪者』からなる同州の膨大なデータベースを浮き彫りにした」と語っていました。

無実の人が逮捕されることを防ぎ個人のプライバシーを守るため、Internet Freedom Foundationのような団体はこういった技術の使用についての法的な管理を求めて戦っています。

Source: NPR, Techcrunch, Reuter,

たもり

最終更新:3/17(火) 12:00
ギズモード・ジャパン

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