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聖火リレー前にIOC決断か 東京大会延期か中止で五輪「存続」危機

3/17(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 どうやら時間の問題になってきた。

 日刊ゲンダイは12日付の紙面「あるぞ IOC会長 2度目の手のひら返し」の中で、「7月24日の五輪開幕を確信している」と語ったバッハ会長が、「4月初旬にも東京五輪の中止を世界に発信するかもしれない」と報じた。

 先週までの動きを見ていると、それが早まりそうな雲行きになってきた。

 11日に世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルス感染症について「パンデミック(世界的大流行)と表現できる」と表明。翌日には米国のトランプ大統領が、「無観客は想像できない。1年間延期したほうがよいかもしれない」と提案。同日、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は、ドイツ公共放送のインタビューで、東京五輪開催の判断は「WHOの助言に従う」と述べた。

 国士舘大非常勤講師でスポーツライターの津田俊樹氏が言う。

「バッハ会長が開催中止の具体的な判断基準について言及したのは初めてです。翌日にはギリシャの聖火リレーも中止になり、国際スポーツ関連団体が一堂に会する最大の会議を毎年主催する『スポーツアコード』が、4月19日からローザンヌで開催予定だった会議の中止を発表した。世界のスポーツ界にとってこれは大きな決断です。この会議では、国際競技団体の幹部とIOCの会合も予定されていたという。東京が五輪の開催都市とはいっても、日本だけが五輪に向かって聖火リレーを行うわけにはいかないでしょう。26日に福島から聖火リレーがスタートして、途中で中止や延期が決まったら聖火はどうするのか。だからバッハ会長がギリシャの聖火の引き継ぎ式が行われる19日以前に決断することは十分に考えられます」

 仮に、7月24日開幕の東京五輪が中止か延期になれば、新型コロナウイルスの感染拡大で疲弊している日本経済はさらなる打撃を被ることになる。すでに感染者急増で、海外から観光客が来なくなり、旅館や飲食業、クルーズ船ビジネスなど、中小企業の倒産が全国に広がっている。

 ビジネス評論家の菅野宏三氏が言う。

「五輪が中止や延期になれば、五輪目当ての観光客を見込んで多額の借り入れをしてホテルを建てたり、店を改装した飲食店は大変です。倒産はかなりの数にのぼるでしょう。企業もそうですが、そもそも国や都市にとってもIOCがすべての決定権を持つ五輪開催はリスクが高すぎる。マラソン会場を勝手に札幌に移したり、新型ウイルスの感染という極めてまれな事情とはいえ、IOCは中止や延期を独断で決められる。国や東京都はこれまで、競技場の建設、改修、暑さ対策などで数兆円単位の『投資』をしてきた。それだけではない。招致のための裏金疑惑まである。中止や延期になって被る損失については、IOCに対して何の請求もできない。経済の落ち込み具合は、まったく想像できない。ボロボロになった日本経済を見たとき、今後、五輪を招致する都市はますます出てこなくなりますよ」

■日本の惨状を見て

 五輪招致に手を挙げる都市は減少の一途だ。

 IOCは2017年の総会で、24年パリ、28年ロサンゼルスの開催を一度に決めた。当初はこの2カ国に加え、ローマ(イタリア)、ハンブルク(ドイツ)、ブダペスト(ハンガリー)も24年大会の招致を目指していたが住民の反対運動などで相次ぎ撤退。IOCが苦肉の策として、24年パリ、28年ロス大会と分けて決着させた。

 北京に決まった22年の冬季五輪も、招致を争ったのはカザフスタンのアルマトイだけ。26年大会はイタリアのミラノとコルティナダンペッツォの共催で決まったが、招致のライバル都市は、ストックホルム/オーレ(共催=スウェーデン)だけ。カルガリー(カナダ)、グラーツ(オーストリア)、シオン(スイス)などが住民投票の結果、撤退している。東京五輪の中止、延期が決まれば、そうした現状に拍車がかかるのは間違いなく、五輪は存続の危機に立たされる。

 そんな中、30年の冬季五輪の開催都市に札幌が立候補することが決まった。

「今回の東京五輪は東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた東北、中でも原発事故が起きた福島の『復興』を世界にアピールしようとしているが、被災地の政治利用です。札幌だって冷え切った北海道経済の起爆剤にするため五輪を呼ぶ。世界には財政負担を考え、住民投票によって五輪招致をストップさせる都市があるにもかかわらずです。安倍首相は新型コロナウイルス感染拡大に関する記者会見の中で、26日に福島を訪れ、聖火リレーのスタートに立ち会うと言った。緊急事態宣言がいつ発令されてもおかしくない状況です。いい加減にしてほしい。新型コロナウイルスが蔓延して身内や知人に感染者が出ている人もいるでしょう。選手たちには申し訳ないが、東京五輪の開催、札幌五輪招致について、今こそ冷静に考えてみるべきです」(前出の津田氏)

 五輪は28年のロス大会が最後になるかもしれない。

最終更新:3/17(火) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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