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大半が手作業…PCR検査の実態 感染リスクも

3/17(火) 11:47配信

産経新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、検査を行う現場の負担が増している。大阪健康安全基盤研究所(大安研、大阪市)には連日、処理能力を超える数の検体が大阪府内の各保健所から殺到。堺市衛生研究所と合わせて、1日100件前後の検査をこなす「フル稼働」が続くためだ。専用装置による自動処理のイメージが先行しがちだが、実際は感染リスクを伴う手作業が中心だ。(井上浩平)

■神経使う地道な作業

 《検体搬入はこちら》。大安研森ノ宮センター(大阪市東成区)の施設内には保健所職員向けの案内表示が随所にみられる。

 検体は、医療機関が検査対象者から採取した痰(たん)と喉の奥の粘膜の2種類。ウイルスの遺伝子の増幅を調べるPCR検査が、現時点で感染の有無を確認できる唯一の方法だ。

 センターでの感染防止のため、保健所は持ち込みの際、1検体ごとに円筒ケース(長さ約5センチ)に入れ、ポリ袋で包んだ上で大型容器にまとめて封入。ウイルスの「鮮度」を重視し、保冷状態にする。

 センターの職員は、検体と保健所の検査依頼書を照合して対象者を確認し、検体番号などを台帳に記入する。本村和嗣ウイルス課長は「地道な作業だが誤判定防止に確認は欠かせず、特に神経を使う」と話す。

■1日最大80人分

 検査時の感染対策は厳重だ。職員は使い捨て手袋やウイルスを透過しない機密性の高いマスク、防護服を着用し、紫外線で滅菌した部屋に検体を運ぶ。外部に空気が漏れない作業スペースで、複数の職員がそれぞれ手作業によりウイルスの感染力を失わせる試薬を注入。遺伝子を取り出し、PCR装置にかける。

 「PCR装置は精密で高感度だ。陽性遺伝子が陰性の検体に混在すれば誤った結果が出てしまう。検体が混ざらないよう慎重を期している」と本村課長。

 ウイルス拡散を防ぐためPCR装置にかけるまで休憩はできない。検体が多い日は朝から午後3時ごろまで、昼食抜きで作業にかかりきりになるという。

 PCR装置は、温度変化によりウイルスの遺伝子を増幅させる。新型コロナウイルスの遺伝子だけに反応する蛍光試薬を使い、モニターの光量が基準値を超えれば陽性と判定する。

 検査は約6時間。そのうち対象者の確認を含む手作業に3時間半から4時間かかり、装置の処理時間は2時間半程度という。現在は森ノ宮と天王寺の両センターで合わせて約20人の職員が装置4台を使い、1日最大80人分の検査を手掛ける。職員は休日も交代で「出ずっぱり」の状態だ。

 態勢を強化するにも、検体を安全に取り扱えるレベルに習熟するまで半年はかかるため、早期の人員補充は難しいという。

 PCR検査は公的医療保険の適用対象となり、民間医療機関などでもできる。ただ機器を備えた病院などが限られ、まだ広がっていない。地方の衛生研究所に検査が集中すれば、その後の疫学調査まで後手に回りかねない。

 本村課長は「大安研の検査件数は増加傾向にある。民間と分担し、迅速に結果を報告できる運用にすべきだ」と強調した。

最終更新:3/17(火) 13:00
産経新聞

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