ここから本文です

ドイツの製薬会社の新型コロナワクチンを独占しようとしていたトランプ、世論の袋叩き

3/17(火) 7:26配信

ハンギョレ新聞

ドイツの「キュアバック」社に「数十億ドルの財政支援」提示 研究成果など米国が独占できるよう推進 「国家的利己心でなく、協力が必要な時」批判 ドイツ、16日に危機委員会で関連事案議論へ

 ドイツの製薬会社が開発中の新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンを独占するために、米国が巨額の資金支援を約束したとの主張が提起された。激しく怒ったドイツ政府が阻止に乗り出すなど、ワクチンの主導権を握るための競争が高まっている。

 ドナルド・トランプ米大統領が、ドイツのバイオ企業「キュアバック」の研究陣に数十億ドルの財政支援を提示し新型コロナウイルスのワクチンに対する独占権を米国に渡すよう懐柔したと、ドイツの週刊ヴェルト・アム・ゾンターク(Welt am Sonntag)紙が15日(現地時間)、政府関係者の話を引用して報道した。

 トランプ大統領が2日、ホワイトハウスで開かれた新型コロナ対策会議で、キュアバックの最高経営者(CEO)を務めていたダニエル・メニケラ氏に会い、キュアバックの研究成果を独占するために会社を買収するか、または研究陣を米国に移転する方案を打診したということだ。同紙は、米国のこうした動きに憂慮したドイツ政府が財政支援を通じてキュアバックをドイツに留め置く方案を検討しているとも伝えた。

 ドイツの資本と人材で育てたワクチン専門企業の新型コロナウイルスのワクチンを米国が独占しようとしているとの報道に接して、ドイツの政界は強く反発した。キリスト民主党所属のエルウィン・ルィデル議員は「今は国家的利己心でなく、国際的協力が重要な時」と強調したとAFP通信などが伝えた。社会民主党のヘルベルト・バース議員も「パンデミック(世界的大流行)は全人類の問題であり、“米国優先主義”の事案ではない」と批判した。

 ドイツ政府も関連内容を事実と認定し、対応に乗り出す方針だ。ホルスト・ゼーホーファー内務長官はこの日の記者会見で「今日、政府内の複数の要人から、それが事実という話を数回聞いた」として「明日(16日)開かれる危機委員会で関連事案を議論することになるだろう」と明らかにした。

 批判が強まり、キュアバックの筆頭株主のディートマー・ホップ氏が乗り出し「このワクチンは特定地域だけでなく全世界のすべての人が使うべきだ」として、米国に独占権を与えることはないだろうと一線を画した。

 伝染病のワクチンおよびがん・希少疾患の治療薬の開発を主力分野とするキュアバックは、2000年に設立され、ドイツのテュービンゲンに本社を置いている。ドイツのBio-N TECH、米国のモデナなどと新型コロナウイルスのワクチンの開発で競争している。キュアバックは、新型コロナウイルスの実験ワクチン候補物質2個を選定し、早ければ6月にも人体を対象にした臨床試験に入ることを期待すると明らかにした。

 キュアバックの他にも、現在35の製薬会社および研究機関がワクチンを作るための競争を行っており、そのうち少なくとも4カ所がワクチン候補物質を開発し動物実験を進めていると英国のガーディアンが伝えた。こうした中で、米国のモデナが45歳の健康な女性志願者を対象に新型コロナ実験用ワクチンの副作用を評価する臨床試験を16日から始めるとの報道も出てきた。ただし臨床試験を通過しても、通常的にワクチンが実際の認証を受けるまでには1年から18カ月がかかるとAP通信は伝えた。

イ・ジョンエ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:3/17(火) 7:26
ハンギョレ新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ