バスケットボール男子Bリーグ3部(B3)のプロチーム・埼玉ブロンコスは、プロ野球・横浜DeNAベイスターズの初代球団社長で、一般社団法人さいたまスポーツコミッション(SSC)の会長を務める池田純氏がオーナー兼取締役に就任したと発表した。6日付サンケイスポーツは、池田氏が埼玉ブロンコスの運営会社を救済買収し、4日のB3理事会で過半数の株式異動が承認されたと大々的に報道。7日付の埼玉新聞も1面で続報するなど、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う暗いニュースが多い中、スポーツ界を活性化させる動きとして大きな注目と驚きをもって世の中に伝えられた。
横浜から埼玉へ、プロ野球からBリーグへ、社長からオーナーへ。ベイスターズを再生させたプロ経営者が”異例の転身”を果たす。池田氏は現在、さいたま市の清水勇人市長の要請を受け、スポーツによる地域活性化を目指すSSCの会長を務めている。その取り組みを後押しする一つの大きな“武器”として、さいたま市や所沢市、春日部市を中心とした埼玉県全土をホームにするプロチームを次の挑戦の場に選んだ。
関係者によると、埼玉ブロンコスの運営会社は数億円規模の累積債務を抱え、今季も経営赤字が見込まれる中で来季以降のチーム存続が危ぶまれていた。そこで救済役を買って出たのが池田氏。同社に対する来季からの再建に関与していくため、数億円の債務超過を解消するとともに今季の経営健全化計画を構築。その結果、既存の株主陣から過半数の株式が譲渡され、経営が託されることになった。また、今回の再建計画において、それぞれ埼玉ブロンコスを支えてきた所沢市の日栄建設社長の日向貴一氏、全日本プロレス社長でもある福田剛紀氏も株主としてチームに残り、今後のブロンコス再生に協力し、応援していくという。
埼玉ブロンコスは、マツダオート東京バスケットボール部として1982年に結成されたクラブ。Bリーグの前身bjリーグ発足時の「オリジナル6」ともいわれる6チーム(ほかに新潟アルビレックスBB、東京アパッチ、大阪エヴェッサ、大分ヒートデビルズ、仙台89ERS)の一つでもある名門だ。特に今回注目すべきは、大企業に雇われる形ではない「個人オーナー」としての動きである点。まだまだ、日本では珍しい形となるが、次のような池田氏の過去の発言から、その背景、そこに込められた思いがうかがえる。
「東京オリンピック後の日本のスポーツ発展のためにも、プロスポーツは親会社の子会社、広告宣伝という従来型から抜け出さなくてはならない。十人十色の個人オーナーが、千差万別にプロチームを経営し、地域に密着することで企業価値を高める。米国で言えばジーター、ジョーダンのように、個人がオーナーになって夢のチームを育てていく大きな一つの流れ、時代が日本にも来る」
2011年に史上最年少の35歳でベイスターズの球団社長に就いた池田氏は、不可能と言われた横浜スタジアムの買収(友好的TOB)を成功させ、約24億円あった赤字を解消して黒字化を実現。その経営手腕で球界にスポーツエンターテインメントビジネスという概念を持ち込み、大きな注目を集めた。2016年の退任後は日本ラグビーフットボール協会やJリーグの特任理事、スポーツ庁参与などの役職を依頼され、引き受けてきたが、保身や忖度、権力争いなどに巻き込まれる中で「自身のオーナーシップの下でプロスポーツチームを経営したい。(ベイスターズで)雇われ社長をやったからこそ、オーナーにならないと100年、3世代にわたって地域に根付く“次のベイスターズ”はつくれないと痛感している」と思いを強くしていた。
最終更新:3/19(木) 7:04
VICTORY































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