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知人が新型コロナに…SNSで「Aさんが感染!バイト先はB食堂」 名誉棄損や業務妨害となる可能性も

3/21(土) 15:03配信

関西テレビ

「あなたが立ち寄った場所をすべて公表します」もし、皆さんがそう言われたら、どう感じますか?

 日に日に増える新型コロナウイルス感染者。その情報公開をめぐり、名古屋市の対応が物議を醸しています。

名古屋市の担当者:
「個別に出た1件の内容をお話するのが適切かどうか」

 3月3日、感染した80代の女性4人が、「同じ場所」にいたと発表しましたが、その「同じ場所」がどこなのかは明らかにしませんでした。

記者:
「もう少し具体的に発表していただきたいんですけど…」

名古屋市の担当者:
「こういう説明のところまでが精一杯でございます」

記者:
「市として感染を止めたいなら『行くな』といわないと」

名古屋市の担当者:
「感染リスクがあるとかそういう問題ではなくて、私どもが申し上げているのは同じ場所にいらっしゃったという状況です」

 また、愛知県は名古屋市以外の感染者の居住地を「尾張地方」「三河地方」としか発表していませんでした。

 一方、クラスターが発生したライブハウスの名前を公表している大阪府では「感染者」についても…。

吉村大阪府知事(3月5日):
「どこの市・町の住民の方か一律で発表する。いかに具体的な事実の公表をしながらクラスターをおさえていくかが重要だと思っています」

 自治体によって基準の異なる情報公開に街では…。

女性:
「すべて公表したらいいと思うけど…やっぱ、バイ菌扱いされるのが嫌!差別されるのが嫌!」

別の女性:
「感染してない側からしたら言って欲しいけど、感染した側なら嫌やなって思うっていう勝手な話で…。(公表は)年齢と、性別くらいかな。何歳くらいなら感染するのんかなって、私も中年なんで感染するんかなって思いながら…」

高校生:
「全部聞かれたら嫌やなぁ。コロナ差別みたいな『あいつなっと~わ』みたいな風にならんかったらいいけど…」

男性:
「本人以外の人にも役に立つ内容なら公表はしてもいいんじゃないかなと。(個人情報が)ネットからとか身近な人から広がるじゃないですか」

 感染した人の情報は、どこまで公表すべきなのでしょうか?菊地幸夫弁護士に伺います。

菊地弁護士:
「公表するかどうかのポイントは『公益性』です。この問題については外国でも取り扱いが異なっていて、ある国ではスマホの情報からどこに立ち寄ったかまで調べるそうです。

 これに関しては感染症法という法律の16条に、感染に関する色んな情報について『積極的に公表しなければならない』とある一方で、『情報の公表に当たっては個人情報の保護に留意しなければならない』とも書かれています。このどっちを重視するか…ということなんですね。

 個人情報を出されるのは嫌という方もいらっしゃいますし、これに関しては、個人のプライバシーを守ることを上回る公益性がどこまであるのかという判断が、それぞれの自治体で違ってくるのかもしれません。なかなか自治体も悩むところだと思います。

 例えば、ある市でたった一人、市民の方が感染したとして、これを言う必要があるのかというと悩ましいですね。本当は国などがリードして基準を作ればいいんでしょうけど、一律の基準というのもなかなか難しいと思います」

Q.例えば、もし個人が感染者の情報を知ってしまった時に、それを『Aさんが感染した!大学の近くのB食堂でアルバイトしてる子だよ』などとSNSで漏らすというケースを考えますと、法律上どうなんでしょう?

菊地弁護士:
「名誉棄損や業務妨害罪などの可能性もあります。お店にしてみたら『業務妨害だ』と言いたいところだと思います。名誉棄損のほうは、『あいつはウイルスだー』などと言われてしまうかもしれないということです。

 ただ、漏らした方が周りの人を心配して、自分が公共の利益を守るというつもりでやっていたら、これは名誉棄損にならない可能性があります。そうではなくて、みんなをびっくりさせてやろう、慌てさせてやろうという目的でやると、名誉棄損罪になってしまうかもしれません。

 むやみやたらに、言わない方がいいかと思います」


(関西テレビ3月18日放送『報道ランナー』内「そこが聞きたい!菊地の法律ジャッジより)

最終更新:3/21(土) 15:03
関西テレビ

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