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恋愛OK、個室に鍵なし ゆるいシェアハウスが生み出す「ネオ町内会」 「他人でも家族でもない」関係性

3/27(金) 7:00配信

withnews

ご近所同士や親戚付き合いなど、昔ながらの人間関係に煩わしさを感じつつ、一人で生きていくには厳しい時代。「他人でも家族でもない」関係をシェアハウスで生み出している人がいる。恋愛OK、異性を連れてきてもOKなど、ルールも限りなくゆるい。「たまに変な人も来るんですけど、それも含めて面白い」。本業でもないのに4物件を運営する理由とは?(ノンフィクションライター・菅野久美子)

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個室は基本的に鍵なし、限りなくゆるいルール

内田勉さん(49歳)は現在都内でMAZARIBA(まざり場)というシェアハウス4物件を運営しているオーナーだ。MAZARIBAのコンセプトは、『他人でもない、家族でもない、適度に刺激しあえる素敵な仲間 家に帰るとホッとする心地よく安心できる空間』。

内田さんの本業はテレビ番組のディレクターで、シェアハウスの運営は趣味と実益を兼ねて、自らも運営する物件を転々とするという生活を送っている。それぞれのシェアハウスの個室は基本的に鍵がなく、恋愛OK、異性を連れてきてもOKなど、ルールも限りなくゆるく、毎晩宴会が開催されているシェアハウスもあるのだという。

「現代はなかなか人と濃密な関係性を作りづらくなっていると思いますね。シェアハウスの魅力は、場所の縁でしがらみのないご近所付き合いができるということ。あと、安心感です。たまに変な人も来るんですけど、それも含めて面白がって、安心してお互い支えあえる関係性です。みんなで大掃除をしたりコイバナしたり、昔の町内会的なノリです。さしずめ僕はみんなの調整役の町内会長って感じでしょうか」

理不尽な世の中を変えたい

内田さんはなぜシェアハウスの運営を行おうと思ったのか。

ベビーブームジュニア世代である内田さんは、地元でも有数の進学校に進むが、過酷な受験戦争に疑問を抱き、勉強はドロップアウト。卒業間際の試験は10科目中5科目が赤点だったが、追い出される形で何とか高校を卒業した。その後、映像の専門学校に進学。そして、テレビ局の下請けの仕事に着き、AD、ディレクターと上り詰めていく。

内田さんの核となっているのは、『理不尽な世の中を変えたい』という思いだ。
それは、幼少期から活舌が良くないことという自身の体験からきている。活舌が影響してか、内向的な性格で、人前に出たりすることにいまだに緊張する。

「ずっと活舌が悪いのがコンプレックスでした。賃貸物件を借りようと思って不動産屋にお店に入ったら、緊張してどもったこともあった。そしたら、『中国人は入居できないよ』とガチャ切りされて、物件を借りるのを断られた。この社会は生きにくいと思っていたんです。活舌が悪いことで、就職してからも電話対応が苦手でしたね。だから、自分が電話をするときは、事前に毎回読み上げる文章を準備していたんです。『こんにちは。はじめまして。〇〇テレビの内田です』そこから先は、相手の返答によって、AとBという回答の分岐も作ったりしていました。昔から自分は人と違うなと思っていましたね」

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最終更新:3/27(金) 7:00
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