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物価上昇2%は大きく未達 日本は固執せず別の数値目標を設定すべき

3/22(日) 20:02配信

マネーの達人

先進各国・地域の消費者物価上昇率の現状

近年、先進各国・地域の中央銀行は、消費者物価上昇率を2%程度に誘導することを目的として金融政策を行っています。

世界各国・地域の直近の物価動向は、価格変動の大きなものを除いた消費者物価指数(コアCPI)ベースでみると、前年同月比で

・ 日本が0.8%の上昇(消費増税の影響を考慮していないベース)
・ 米国は2.3%上昇
・ ユーロ圏は1.3%上昇
となっています。

価格変動の大きなものの範囲は、各国・地域で異なります。

日本の消費者物価上昇率は、米欧に比べても低く、中央銀行である日本銀行は金融危機以来継続して金融緩和を行っています。

消費者物価のコントロールは可能か

日本銀行は、なかなか上昇してこない消費者物価を目標の2%程度まで引き上げようと、さまざまな政策をとってきました。

そして現在では、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」という政策を実行しています。

これは

長期金利を0.0%±0.2%の範囲内に抑え、短期金利(中銀預金金利)を-0.1%に誘導しつつ、消費者物価上昇率が安定的に2%を超えてくるまで異次元の金融緩和を続ける
というものです。

金融政策の詳細はともかくとして、日本銀行は物価が安定的に2%を超えて上昇するように、ありとあらゆる政策を総動員しています。

しかし、日本銀行のこの政策運営にはリスクはないのでしょうか。

■「物価のコントロール」は単純作業ではない
日本銀行で働いていた私は、物価のコントロールは、水道の蛇口から出てくる水の量を調整するような単純な作業ではないと感じています。

水道の水量は、蛇口を緩めれば徐々に増加していき、締めれば減少し、自分の求めている水量で蛇口を固定しておけば安定的に同量の水量を保てます。

しかし、消費者物価は前年比で2%の上昇に至ったとしても、その水準を維持するのは至難の業です。

金融政策をその時の水準で維持すれば物価上昇率が維持されるとは限らないからです。

ひとたび政策を間違えれば、物価は2%を大きく超えて上昇してしまい、逆にその後の景気を冷え込ませてしまうといった状況になりかねます。

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最終更新:3/22(日) 20:02
マネーの達人

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