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新型コロナ騒動収束後も続く?ラグビー練習場に殺到するファンのマナー問題

3/23(月) 7:04配信

VICTORY

新型コロナウイルス感染拡大に世間が硬直化するなか、「コンプライアンス教育の徹底」のために3月の公式戦を中止したラグビートップリーグ。もしもこれらの事象が起きていなくても、解決すべき問題点があった。ファンのマナー問題だ。

■新型コロナウイルス以前の問題?

もう、昔のことになってはいないか。ラグビーの日本代表は、昨秋のワールドカップ日本大会で初の8強入り。出場選手は年末年始のテレビ番組に引っ張りだことなるなど、空前のブームが巻き起こった。

1月12日開幕の国内トップリーグでは、「当日券あり」という報せが周知しきれないなどの課題を抱えながらも人気選手の出た試合は多くのファンを集めた。リーグ関係者は「我々も完売という言葉は使わないようにしています」と説明する。

「『現時点で在庫なし』の状態を精査した結果、試合当日になるとチケットの在庫が出てくることがある。お客様に『完売』と思い込ませない工夫が必要だと思っています」

最近では新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点での第7、8節の延期(2月29日、3月1、7、8日)、リーグ側が打ち出した薬物関連の事件が原因となった「コンプライアンス教育の徹底に伴う開催休止」など時に受動的、時に能動的に足踏みをしているが、それらがなかったとしても問題は生じていた。人気上昇に伴い増加したファンのマナーについてだ。

■恥ずかしいからやめて

「サインが転売されるのも一流の証でしょ」

ある日本代表選手がごくごくプライベートの場で漏らしたこの一言には、諦観の念がこもっていたような。

折からのブームに伴い、一部クラブの練習場にはおびただしい数の見学希望者が殺到。なかには選手名鑑にサインを求めながら「あなたは(名鑑の中の)誰ですか?」と問うなど、控えめに言ってもユニークとしか言いようのないコミュニケーションを取る一般客もいたようだ。

かつて強豪のパナソニックでプレーしていたある元選手は、自身の物品が別な有名プレーヤーの私物としてネットオークションに出されていることをSNS上で公表した。

ワールドカップで5トライを決めた松島幸太朗を擁するサントリーでは、駐車場で選手を待ち伏せるファンが増えたことで事故のリスクが増えた。

従来は自由としていたクラブハウスへの出入りは今年に入り禁止としたが、それが厳守されないケースもあった。ガラス張りのウェイトトレーニングルームをまじまじとのぞきこむ人々も後を絶たず、「これはいくら何でも…」と選手側もチームスタッフにこぼしたようだ。

祝日だった2月11日には、動き出した選手の車を追いかけプレゼントを渡そうとするファンもいた様子だ。その一部は、グラウンドで主力選手が練習を終えないうちに外国産車両の陰に回っていたという。

チームが運営する「サンゴリアス君」の公式ツイッターは2月、見学者専用の通用門を作り、見学エリアを限られた区画に定めることを発表。「度重なるルール違反、マナー違反が今後も続く場合は、トレーニングを非公開とさせていただきます」と、やや強い口調で注意喚起した。

クラブの関係者は「こちらもファンの方を見るためにそこまで人員を割けるわけではありません」とし、苦渋の決断に至った背景を語る。

「何度も駐車場で選手を待たないよう伝えていたが、一瞬どいただけですぐに元に戻るんです。ルールを守らない方が1人いると、その空気が周りの大人しくされている方にも連鎖することもある。そういう方はごく一部なのですが、車と車の間に隠れている方もいて、女性のカバンなどが当たって車体が傷つくなどの実害も出るかもしれない。何より、そうした方を選手が知らずにひいてしまったら、その選手が加害者になります」

さらに続く証言によれば、こんなこともあったようだ。

地方から都内の練習場へ訪れた親子連れのファンが、子どもに有名選手を会わせたいからとスタッフに哀願。その日はすでに選手たちは練習を引き上げており、スタッフは「その対応をしたら全ての方のリクエストにお応えしなくてはいけなくなる」と陳謝した。それでも食い下がる親に対し、子は言った。

「お母さん、恥ずかしいからやめて」

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最終更新:3/23(月) 7:04
VICTORY

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