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なぜIOCは「東京五輪の延期検討」に変節し最終結論を下すまで4週間の猶予を作ったのか

3/23(月) 7:52配信

THE PAGE

IOC(国際オリンピック委員会)は22日(日本時間23日)、臨時理事会を開き、世界的な規模で感染が拡大している新型コロナウイルスの影響を考慮して、東京五輪の延期、大会運営計画の修正を検討し、4週間以内に決断を下すことを決定した。ただ大会の中止に関しては「何の問題解決にも誰の助けにもならない」と完全否定した。
 
 IOCのトーマス・バッハ会長は、延期することを「極めて複雑なチャレンジになる」とした上で、延期した場合の問題点にも触れ、「重要な施設(会場)の多くが利用できなくなる可能性」「ホテルの予約が不可能」「33の国際イベントの日程変更」の3点を挙げたが、いつに延期にするのか、という時期については言及しなかった。

 IOCは、なぜ変節し、その検討期限を4週間以内としたのか、そして、どんな結論を出すのか。IOCは17日に行われた理事会後には「開幕の4カ月以上も前の段階で抜本的決断を下す必要はない。いかなる憶測も現時点では非生産的だ」と延期、中止論を否定していた。

 だが、その後、ブラジル、ノルウェーなどの国内五輪委員会や、米国水泳連盟、米国陸上連盟らから延期を望む声が次々と起き、IOCは、もうそれらの声を無視できなくなった。また社会的な影響を考え、ステークホルダーであるスポンサーや、財政を支える放映権料を支払う放送局側からも、強行開催についての問題提起があったものと見られる。

 米のUSAトゥデイ紙も、今回のIOCの変節について「IOCの姿勢の変化は、最も可能性の高いところとして2021年に延期を求めるオリンピック・ムーブメントの至る所からのプレッシャーが増す中で起きた」と分析している。

 米のヤフースポーツは、IOCが言及しなかった延期の時期について考察した記事を掲載している。

「(延期)の実現は可能だ」

 2020年10月への延期は、「10月までに新型コロナウイルスの世界的大流行が収束しているかどうか不確かなこと」「中継パートナーのNBCが主軸とするNFL、MLBプレーオフや欧州サッカーと重なることを望まない」との理由で“薄い“と読み、「1年後の7月から8月の開催が最善策で、2番手として2年後の2022年7月から8月の開催が考えられる」との見解を示した。

 また、その場合は、「2020年に開催する」と取り決められたIOCと東京との協定の見直し、IOC規定の改正が必要なことを指摘。
 「バッハ会長が言及したように、水泳や陸上競技の世界選手権から、東京の五輪施設で予定される様々な会議や総会に至るまで数えきれないほどのイベントの日程変更や中止が求められることになる」という問題点もクローズアップした。

 だが、ヤフースポーツの取材に対してリオ五輪2016年組織委員会のシドニー・レヴィーCEOは、「(延期の)実現は可能だ」という見解を述べている。そして同CEOは「IOCは、その(複雑な)事業計画を見極めるために4週間の猶予期間を作ったのだ」とIOCが決断を下すまでに4週間の猶予期間を作った理由を分析した。おそらく、この見方が正しいのだろう。

 延期した場合に起きる、あらゆるリスクを炙り出し、それをどう調整するか、という可能性、調整期間を考慮して、4週間の期限を設定したと考えられる。
 そして、確かなことは、IOCが延期に向けて舵を切ったということ。あとは、その延期の時期が、秋なのか、1年後なのか、2年後なのか、という問題だろう。もし2年後になれば、細かい国際競技イベントの調整や、東京五輪会議の確保は可能になるだろうが、北京冬季五輪、サッカーのワールドカップなどと年度が重なることになる。また東京側には、そこまでの五輪大会運営を維持するための組織委員会の人件費や、会場の維持費など、莫大な経費がかさむことにもなる。選手村後のマンション分譲にも問題は起きる。
 いずれにしろIOCは厳しい決断を余儀なくされることになる。

最終更新:3/23(月) 18:59
THE PAGE

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