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隈 研吾もデザイン参加。〈山形緞通〉は至高の手仕事、日本の暮らしのためのじゅうたん/山形

3/23(月) 14:49配信

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■糸づくりから手がける、国内唯一のじゅうたんメーカー
山形県山辺町に、じゅうたん製作の高い技術で知られるメーカーがあります。名前は〈オリエンタルカーペット〉。糸づくりから染め、織り、アフターケアまで、一貫して自社で行っています。

【写真で見る】〈スマイルズ〉遠山正道さんとのコラボで生まれた〈a big stone りんご〉

同社が手がけるブランド〈山形緞通〉は、素足の生活様式に合わせた、日本人の暮らしに寄り添うじゅうたん。

そのこだわりは、素材選びにも現れています。主な原料は、素足に心地よい羊毛。ニュージーランド産とイギリス産をメインに選び、自社で紡いでいます。

たとえば新古典ライン〈石楠花 (shakunage)〉にはウールとシルクを使用し、ベロアのような肌触りに。立体的に浮かび上がるダイナミックな柄は、和にも、洋の空間にも合ようにデザインされています。

ものづくりを支えているのは、女性の職人たち。ここでは数ある工程のなかから、一部を見せてもらいましょう。こちらは手織りの作業を行っている様子です。

手織りは、創業当初から受け継がれてきた伝統技術。細かな設計図をもとに、縦糸に糸を結びカットする作業をひたすら繰り返していきます。1日に織り上げられる長さは、わずか7センチ程度。

織りには「手刺(てさし)」という技術も用いられます。職人さんが図案に合わせ、フックガンという工具で織っていきます。手織に比べ製作時間を短縮できますが、忠実に図柄を表現するために、打ち込む力やバランスを均一に保つ高い技術が必要です。

その後はじゅうたんの表面を均一にカットする「シャーリング」や、柄を立体的に見せるため、ハサミで浮き彫りにしていく「カービング」など、それぞれの技術に卓越した職人さんの手によって、なめらかで艶やかなじゅうたんに仕上げられていきます。

山形緞通の大きな魅力のひとつは、豊かな色彩が織りなすグラデーション。こちらは、実際にじゅうたんに使用されているウールの糸です。

オリエンタルカーペットでは、じゅうたんの色を細やかに表現するため、自社で色の調合と染色を行っています。こちらは色見本。社内には、これまでに染めたおよそ2万色以上の糸をストックし、デザインやクライアントの要望に合わせて提供しています。

上の写真は、著名デザイナーとのコラボレーションによる、デザイナーライン〈MORI〉。建築家の隈 研吾さんがデザインしたじゅうたんです。

緑の豊かさをダークグリーンの色彩と三層の毛糸の質感で表現しています。同シリーズの〈KOKE〉は、苔の質感を糸の質感と毛足の長さで表現したもの。

足もとに艶やかな青い苔が一面に広がります。こうした繊細なニュアンスを表現できるのも、山形緞通ならでは。

〈スマイルズ〉の遠山正道さんとのコラボレーションから生まれた〈a big stone りんご〉。

遠山さんが山形の工場を訪れた際に描いたスケッチをもとに、同社が製作を手がけました。

オリエンタルカーペットの創業は昭和10年。当時のまちに女性が働ける場は少なかったといいます。そこで、地域再生のために創業者の渡辺順之助さんが目をつけたのがじゅうたんづくり。

〈ニッポン絨毯製造所〉を創設し、シルクロードを渡った織物技術を学ぶため、中国から技術者を招き、じゅうたんの製作を始めました。

街に工房ができると、地元の女性たちが働き始めました。同社では、現在でも職人のほとんどが女性です。

人の手と現代の技術が織りなす、山形緞通のじゅうたん。同社では、平日のみ工場見学も受けつけています。展示室では、これまで同社が手掛けてきたじゅうたんを見ることができます。なかには、文化施設や著名建築に納めた多くのじゅうたんも。その細密な表現力を直に見てみたいという方は、ぜひ。

information
オリエンタルカーペット
住所:山形県東村山郡山辺町大字山辺21番地
TEL:023-664-7220


writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。

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最終更新:3/23(月) 14:49
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