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「読めそうで読めない?」卒業制作の“ひらがな”に反響、作者語るフォントの魅力

3/24(火) 9:00配信

オリコン

 今春も話題となった美術系の大学・専門学校の生徒による卒業制作。近年は現地で展示するだけでなくSNSでも披露することで、プロも驚くようなクオリティやアイデアが大きな反響を得るケースが増えている。そんな卒業制作のひとつが、京都市立芸術大学の学生・ぃぃさん(@e_ocoto)の作品だ。“近づくと読めなくなる”ひらがな『かたちかな』をTwitterに投稿すると、人間の文字を認識する仕組みに興味を持った多くのユーザーが拡散して話題に。そんな『かたちかな』の制作の裏側や、「読める」「読めない」文字の境目、また、文字作りの魅力など話を聞いた。

【写真】何と読む? 画面を拡大&縮小せずにはいられない「ひらがな」ずらり

■卒業制作は、「読める文字」と「読めない形」の境目の曖昧さが面白く伝わるのではないかと考えた

――『かたちかな』に多くの反響がありましたね。

【ぃぃさん】普段の生活で文字に注目していない人にも面白がってもらえるものを作りたいとは考えていたのですが、想像以上の反響でとても驚きました。戸惑いもありましたが、たくさんの反応を目の当たりにできて嬉しいです。

――今回、卒業制作で発表された『かたちかな』は、「読めなさそうで読める」「遠くからなら読める」のが特徴的でしたが、どのようなきっかけで文字に興味を持ちましたか?

【ぃぃさん】文字のデザインに興味があり、日常的に書籍や看板、広告などの文字を注目して見る癖がありました。その中で、文字は絵や写真のように文化や言語が違う人が見ても意味が伝わるものではなく、線や形が集まって一定のルールを満たしたときに、その形を知っている人だけが読めるものだと気付きました。ふと、当たり前のような「文字を読めること」自体がとても不思議に思えて、その感覚を人に伝えたいと思ったのが始まりです。

――それが卒業制作のテーマになったんですね。

【ぃぃさん】はい。どこまで形を省略して読める文字を作れるか挑戦することで、「読める文字」と「読めない形」の境目の曖昧さが面白く伝わるのではないかと考えました。

――「読める」「読めない」の境目とはどのようなものでしょうか。

【ぃぃさん】展示の際に文字に近づいたり離れたり、身体的な感覚とともに見てもらいたかったので、「近づくと読めなくなる」と表現していますが、本当は距離というよりは「視界に入る文字数」が「読める」「読めない」の鍵となっています。あいうえお順や単語、文章など、意味を成して並んだ「かたちかな」の文字群は、全体を見ると、字形の推測や補完がしやすいために文字として機能するのに、個々の文字に注目すると形の情報が少なくなるので読みづらくなります。

――では、その境目を決めていく作業はどのように進めていきましたか?

【ぃぃさん】どの線をなくすとその文字と認識できなくなるのか、どの形がその文字をその文字たらしめているのか、そのルールを探るために、試作状態の文字で色んな単語を組んでみたり、既存のフォントも参考にしながら線の足し引きを繰り返しました。

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最終更新:3/26(木) 9:25
オリコン

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