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アメリカの小売りCEOたちが送信した「新型ウイルスと戦う決意」のメールが心を打つ理由

3/25(水) 16:00配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

アメリカ国内の新型コロナウイルス感染拡大が止まらない。その影響は小売業も直撃しており、業績悪化が懸念される。

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こうした厳しい状況下で、アメリカの小売り企業は次々と消費者に宛てた力強いメッセージをメールで送っている。

送り主は、もちろん各企業のトップだ。CEO自らが時には直筆のサインを添えて、「私たちはいつもここにいます。共に乗り越えましょう」と顧客を励ます。

なぜ彼らはまるで友人のように距離の近い、「心に響くメール」を送るのか。

一大事こそ、CEO自らの想いを届ける

かつてニューヨークで暮らし、フリーランスのライターとしてアメリカの小売り・ECに関する記事を日本のメディアに寄稿していた筆者は、今でも情報収集用にさまざまな企業のメールマガジンに登録している。

アメリカで新型コロナウイルス感染が拡大するにつれ、「COVID-19」に関するメールが続々と届くようになった。店舗の一時閉鎖に関するアナウンス、商品の取り扱いや配送状況の説明、そしてついには、CEOからのメッセージがやってきた。

日本ではあまり馴染みのないCEO名義のメッセージだが、アメリカでは買収のような大きな発表があった際など、こうしたメールを送る慣習がある。そこに並ぶのはいかにも企業然とした「お堅いメッセージ」ではなく、ポジティブで力強く、そして個人の想いが詰まった「生の言葉」だ。

雲の上の経営者というイメージとはほど遠い、率直な気持ちが綴られたメッセージには人間味が感じられ、一気に親近感がわく。

消費者の反応は賛否両論

CEOが自身の名前でメッセージを発信することはポジティブに働く可能性もあるが、一方で額面通り受け取られないこともあり、タイミングや選んだ言葉によっては炎上リスクもある。

特に、ここ数週間の深刻な状況下では、冷静な判断を欠く消費者も少なくない。

実際、Twitterで今回の新型コロナウイルスに関するアメリカの企業への反応を見ていると、企業トップからのメールを好意的にシェアするTwitterユーザーもいれば、「自分は従業員」と明かした上で、企業の対応を疑問視するユーザーもいる。また、非常に強い言葉で企業を批判するユーザーも目立つ。

大手百貨店Nordstrom(ノードストローム)CEOからのメッセージを好意的に受け止めシェアするTwitterユーザーは、次のように投稿している。

I applaud Erik and Pete Nordstrom for their leadership in temporarily closing all @Nordstrom stores, while continuing to provide benefits and pay to all employees. #peopleoverprofits #COVID19 #FederalLeadershipNow

(全従業員に福利厚生と給与を提供し続けながら、@Nordstromの全店舗を一時的に閉鎖したErikとPete Nordstromのリーダーシップに拍手を送りたい)

他のツイートでは、大手ディスカウントストアTarget(ターゲット)の対応を一部評価しつつも、疑問も残るとする従業員を名乗るユーザーが。

I am a Target employee and a thank you letter isn’t enough for what we all have gone through whether we are sick or healthy. It doesn’t seem at all worth the stress and anxiety.

(私はターゲットの従業員です。病気でも健康でも、誰もが経験してきたことに対して、サンキューレターだけでは十分ではありません。全ての人が感じているストレスや不安に見合う価値があるとは全く思えません)

日本人からすると、本人を特定されかねないアカウントで所属先企業の対応を批判することに驚きを隠せないが、アメリカではそれほどに、自身の権利を主張することが当然の行為とみなされている。

企業は消費者に限らず、スタッフ、その先にいる家族からも常に「ジャッジ」されている。

だからこそCEOは逃げずに向き合い、「本気」と「覚悟」を持って発信し続ける必要があるのだろう。「こんな良いことを言ったら話題になるだろうか」という思惑が透けて見えるような内容では、決して心に届かない。

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最終更新:3/26(木) 0:01
BUSINESS INSIDER JAPAN

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