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高齢ドライバーの事故対策は認知症に加え緑内障チェックも

3/25(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 毎年3月に、世界緑内障週間としてさまざまな啓発活動が行われる。本紙3月10日付の「緑内障リスクが特に高い人」に続き、今回は症状と治療について知っておきたい情報をお届けする。話を聞いたのは、日本の緑内障の有病率調査「多治見スタディ」にも関わった「たじみ岩瀬眼科」(岐阜県)の岩瀬愛子院長だ。

 緑内障は、「近眼」「家系に緑内障患者がいる」などがあればリスクが高くなるものの、基本的には誰でも発症する可能性がある病気だ。

「多治見スタディでは40歳以降、加齢とともに上昇し、60代では6・3%、70歳以上では10%を超えます。40歳で緑内障になっていない人でも、年を取るとなるかもしれない」(岩瀬愛子院長=以下同)

 緑内障は視野が欠ける病気で、治療をしなければ失明することもある。高齢になっても進行するため、超高齢社会の日本では「年を取ってから失明に至った」という人が増加している。

 失明までいかなくても、視野が欠けると生活の質が著しく低下する。

■信号や歩行者が見えなくなる

 地方では公共交通機関が充実していないことから、運転をやめたくてもやめられない高齢ドライバーが珍しくない。

 緑内障で視野が欠けると、視界にぼんやりとしか見えない部分が出てきて、病気の進行とともにその数が増える。運転中に信号や横断歩道を渡る人が見えない――となるのだ。

「進行した場合、見えているのは見ようとしている真ん中だけ。しかし、かなり進行しても緑内障は中心一点は見えているので、そこさえ見えれば視力は良い、となる」

 つまり、視力検査では緑内障の“見えにくさ”は表れにくい。右目も左目もかなり見えないところがあり、両目で見ても見えないところがあるのに、中心は見えているので視力は1・5……ということもあるのだ。

「緑内障になったからといってただちに日常生活に困ることもないし、安全運転も可能です。少し進行しても医師の指導の下に注意すれば、安全に運転できている人も多くいます。しかし怖いのは、自分に視野異常があるとは知らずにいること。緑内障で周囲がほとんど見えていないが、視力は悪くないので免許の切り替えが通って、運転をしていた患者さんに運転を禁止した例もあります」

 老親がまだ運転をしているようなら、認知機能に加えて、緑内障の有無や進行具合もチェックすべきだ。

 緑内障の治療は点眼薬、レーザー、手術とあるが、ほとんどの人が点眼薬を続ければよい。治らない病気ではあるが、緑内障だからといって全員が失明するわけではない。早期治療によって進行を早く抑えられれば失う機能が少ない。

 また、進行してしまい見つかったとしても、その時期に適切な治療を眼科で開始し、続けられれば視機能を維持できる。

 とはいえ、点眼薬が面倒な人もいるだろう。そんな時は、レーザーや手術を検討するのも手?

「緑内障治療は、点眼薬をまず試し、それが効かなければ2剤、3剤と数を増やし、それでも効かなければ、レーザーや手術を検討します。点眼薬は1日1回でOKのものや、合剤で2種類の点眼薬を1回でさせるものなどが出ています。面倒がらずにぜひ自分に合ったものを選んでほしい。レーザーや手術は、一度受けてもずっと眼圧を下げられるものではなく、やがて再手術を受けなくてはならなくなる人もいます。特に手術は、気軽な気持ちで検討するものではありません」

 なお、点眼薬で目の周りが腫れるなど副作用に弱い人も手術などの対象になる。

 主治医とよく相談して自分に合った治療法を見つければよい。

最終更新:3/25(水) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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