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新型コロナウイルス対策で我々の“現在地”は? 出口はどこに?

3/25(水) 11:40配信

Medical Note

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行抑止のため、2月26日に政府がイベントなどの中止や延期といった対応を要請してから1カ月。長い対応の日々が続き、外出もはばかられるなど大変な日々を送っているのではないでしょうか。「コロナ疲れ」という言葉も聞かれるようになり、先が見えない閉塞感も社会に漂っています。今回は新型コロナウイルスの影響が今後、どれくらい続いていくのかについて考えます。【国際医療福祉大学病院救急医療部長・志賀隆/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇学校休校要請の効果は?

まず、現在の対策の効果について検討します。

今回のコロナウイルスに関して、小中高校の休校は意味があったのでしょうか。休校要請のもたらした影響や効果について直接的なデータは、残念ながらありません。中国のデータに基づくと、新型コロナウイルスの小児の感染は少ないのではないかという解釈もありました。しかし、感染者の家庭内で小児も感染していたものの、症状がなかったという例も報告されていました。

中国では日本よりも積極的に検査をしていますが、対象は症状のある方や重症の方が中心になっていた可能性が高いです。これらから考えられることは「小児も感染してはいるが、軽症のことが多く検査がされていない」という可能性です。

同じ気道感染を起こすインフルエンザの知見がコロナウイルス感染でも有効であると考えられるため、参照・検討します。インフルエンザでは家庭内での感染の危険性が指摘されています。小児がコロナウイルスに感染し、同居の高齢者がいた場合には小児から高齢者に感染する可能性が出てきます。特に、屋内で向き合って話したり、子どもの手に付いたウイルスが階段の手すりなどを介して高齢者の手に付着したりすると、家庭内で感染するおそれがあると考えられます。

これも中国のデータですが、高齢者が新型コロナウイルスに感染すると重症・重篤化しやすいとされています。学校という集団生活で子どもが感染したものの症状がなく、自宅で高齢者にうつって重い肺炎を発症する――。そうしたことを避けるという意味では、休校の対策は始め方が性急であったものの、ある程度効果が期待できるのではないかと思われます。ただ、休校をした地域と、そうでない地域や途中で切り上げた地域について流行の度合いを調査・検証することが必要ではないかと考えています。

政府は3月20日、一斉休校要請を新学期から解除する方針を決めました。ただ、家庭内で子どもから高齢者への感染リスクが全国的に大きく低下したと考えられる科学的根拠は、今のところありません。学校再開後、高齢者と同居している場合にはこれまで以上に家庭内での感染に対する注意が必要でしょう。

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最終更新:3/25(水) 11:40
Medical Note

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